あの世は「ここ」にあるのです

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令和8年8月22日

 

私はいつも、あの世は遠い彼方かなたにあるのではなく、「ここ」にあるのです、とお話しています。「ここ」とは、私たちがいる場所の意味でもありますが、私たちの心の中をも指すのです。だから、あの世は私たちの心の中にあって、先祖もまた、私たちの心の中にいるのです。

19世紀のフランスにおける最も偉大な思想家であり、また教育者でもあったアランは、著名な『幸福論』(写真は岩波文庫)において、「死者たちは死んでいない。そのことはまったく確実である。死者たちは考えている、語っている、行動している、助言し、欲し、承認し、避難することができる。これらはすべて本当である。しかし、それに耳を傾けなくてはならない。それらはすべて、われわれの内にある。われわれの内で、確かに生きているのだ(一部中略)」と語っています。

私は若い頃にこの本に接し、何年かに一度は思い出したように再読してきました。それはまるで古い友人に会うような楽しみで、読書とは人生の邂逅かいこうであると憶念したものです。当初の蔵書は製本も劣化したので、二年前に新たに購入し、大切に保管しています。

先祖が私たちの心の中にいるという真実を、かくも大胆に表記している文章を、私はほかに知りません。しかも、このようなアカデミックな著作においてです。実はアランはペンネームで、本命をエミール・オーギュスト・シャルティエといい、生涯を(大学教授ではなく)高校教師として過ごしました。彼の授業を受けたフランスの高校生は、とても幸せな時間を過ごしたと思います。

それにしても、このような文章を残した偉人が、フランスから出ている史実も奇妙です。フランス国民が日本人や日本の文化を特に好むことと、あながち無関係ではないかも知れません。

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