2019/05の記事

鈍感力

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人物

令和元年5月31日

 

渡辺淳一さんの著作に『鈍感力どんかんりょく』があり、かなり話題になりました。

一般的なお話として、鈍感な人が讃えられることはありません。むしろ、敏感で鋭い人ほど求められ、リーダッシップを発揮するはずです。でも渡辺さんは、鈍感であることは大きな才能であると主張しています。なぜなら、鈍感であるからこそマイペースで物ごとを進め、イヤなことを気にせずに、ストレスをためることもないからです。それだけに、腰をすえてじっくりと仕事に取り組めることでしょう。

それに比べると、敏感な人は反応が早く、シャープで神経質でせっかちです。何でも一人でやろうとするから、人に任せることができません。その反面、周囲が常に気になるからストレスをかかえます。自分の感情が、すぐ顔や行動に現れます。始めるのも早くれば、あきらめるのも早いはずです。

だから、鈍感であることは自慢にしてよいのです。成功への原動力として「運・鈍・根うんどんこん」の三文字があげられるのもこの意味でしょう。運のよさや根気に加えて、鈍感であるほうが最後までやり遂げる底力があるのです。ご自分を鈍感だと思っている方は、大いに自信を持ちましょう。よかったですね。

プラス思考とマイナス思考

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人生

令和元年5月30日

 

何ごとにも、自己啓発としてプラス思考は大切です。私もプラス思考に関するセミナーに参加したり、その分野の書籍もたくさん読みました。それぞれが、私の人生に役立ったと思います。

しかし、私はある時からまったく別のことも考えるようになりました。成功への準備や成功へのプラス思考も大切であるけれども、人生に失敗はつきものです。そして、失敗した時の備えがなければ、イザという時の機転がききません。プラス思考も大切であるけれども、最悪の事態に備えるマイナス思考も重要だと考えるようになったのです。

人の能力は無限であるのに、そのほとんどを眠らせているという説はあくまで正しいと思います。しかし、人には持って生まれた器量がありことも事実です。また、ことの成り行きは〝運〟に左右されることも事実です。何ごとにも二面性はあるもので、この相反する現実の中でやりくりするのが人生の正念場というものでしょう。

失敗した時のことを考えるなど縁起が悪いという意見もありましょうが、私はそうは思いません。成功に向かって準備を進め、成功へのプラス思考を重ねつつも、失敗した時へのマイナス思考も同時に大切なのです。大石内蔵助だって、討ち入りの周到な計画を立てつつも、討ち漏らした時のことも考えていたのです。そうでなければ、あのような大事をなすことなど、とうていあり得ません。何ごとも同じことです。私たちも同じことです。

天・地・人

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社会

令和元年5月29日

 

何ごとにも、〈天の時と地の利と人の和〉が大切であるとされています。これを〈三才さんさい〉といい、この三才が整わなければ、物ごとは成し得ないといわれています。

天の時とはいつことを起こすか、その時期をいいます。地の利とはどこでことを起こすか、その場所をいいます。人の和とは誰とことを起こすか、その結束をいいます。ところが、さらに次の言葉が肝心なところです。すなわち、「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和にしかず」というのです。

つまり、どんなに天の時を得ていても地の利には及ばず、地の利を得ていても人の和には及ばないと教えいます。大切なことはあくまで人であって、人の和がなければ何ごとも成し得ないということなのでしょう。

考えてみれば、物ごとがうまくいかなかった時は、すべて人の和がくずれた時であったはずです。世の中は人の集まりです。大切なのは、あくまでも人なのです。政治も経営も、会社も家庭も、すべては人の和で決まるということです。頭の痛いお話ですが、私も肝に銘じますよ。

手塩にかける

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家庭

令和元年5月28日

 

今や、〝おにぎり〟といえば、コンビニの商品が主流になりました。よく工夫され、それぞれにおいしく作られていると思います。

でも、やはり、どこかが違います。「おにぎり」といい、「おむすび」というのです。〝にぎる〟とか〝むすぶ〟という表現には、力学的なものに加えた何かがあるはずです。それは手作りのものと比べれば、よくわかるはずです。

私などは子供の頃から手作りのおにぎりをいただいてきたので、そのことがよくわかります。やはりお母さんがですね、こうれた手に塩をふりかけてですね、そうですよ、これが「手塩にかける」の語源なんですよ。いいお話でしょう。私はこのことを、何度も何度も法話で伝えてきました。
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声の大きい人を

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人物

令和元年5月27日

 

声の大きい人は、まず健康です。

なぜなら、私たちが生まれてきた時、最初に主張するのは声であるし、泣き声の大きい赤ちゃんは元気で丈夫だといわれているからです。風邪を引いたり、病気になったりすると、声が小さくなっていることがわかりますでしょうか。また、人が亡くなる時とは、声が出なくなった時であることがわかりますでしょうか。
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芽茶苦茶

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人生

令和元年5月26日

 

新茶がおいしい季節です。

現代は、自宅に〈急須きゅうす〉や〈茶筒ちゃづつ〉すら置かない方も多いのではないでしょうか。お茶は自動販売機や冷蔵庫のペットボトルで飲むものと思っているからです。とても残念なことで、ぜひ急須でたてたお茶を召し上がっていただきたいものです。香りの違いに、格段の差があることがわかることでしょう。

ところで、〈芽茶苦茶めちゃくちゃ〉という言葉の意味がおわかりでしょうか。実は、これこそお茶の入れ方を教示したおもしろいお話があるのです。ぜひ、知っておいてください。
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インスタントラーメン

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社会

令和元年5月25日

 

ごく、まれにですが、インスタントラーメンを食べることがあります。

ちょっと気づいたのですが、一時のような高級品がなくなったように思います。『中華三昧』はスーパーにはありますが、コンビニにはありません。かつて『揚夫人(マダムヤン)』という高級品が流行し、美しい台湾女優さんの「マダムヤンは私のラーメンです」というテレビCMが一世を風靡ふうびしました。商品よりも、画面に映る妖艶ようえんなこの夫人を、日本中の男たちが口を開けて見ていたものです(笑)。昭和50年代でしたが、ネットの動画で見ることができますので、なつかしい方はぜひご覧ください。

同じころ、『華味餐庁(カミサンチン)』が発売されました。こちらの女優さんの「お客さまに出せるラーメンです」を覚えていますでしょうか。また、生タイプのものも発売され、インスタントラーメンはまさに苛烈かれつな競争となりました。
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窮すれば変ず 

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人生

令和元年5月24日

 

私たちは毎日、さまざまな言葉に接しながら生きています。単なる雑談や冗談もあれば、真剣に耳を傾ける自戒や教訓に満ちた言葉もあります。時には、涙を流すほどの感動の言葉もありましょう。

そんな中で、一生を費やしても忘れられないほどの言葉となると、その数は決して多いとは思えません。よほどの教養人でも五指には満たず、一般には三指にも至らず、もしかしたら一つすら浮かばないという方も多いはずです。

こんなことを考える時、私があえてその一つを選ぶとすれば、『易経えききょう』の中の「きゅうすればへんず、変ずればすなわちつうず」でありましょう。これは窮すれば、つまり追いつめられて本当に困窮した時、私たちは新たな活路を求めて別の方法を考える。つまり変化を求める。その変化から、まったく新しい道が開かれる、と、そういう意味なのです。
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いいかげんに生きる

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仏教

令和元年5月23日

 

人は「いいかげん」に生きることが大切です。

いや、決してふざけているのではありません。いいかげんとは〝よい加減〟です。〝ほどよい加減〟なのです。実は、これこそが仏教の根本命題である〈中道〉の教えそのものなのです。どっちつかずという意味の中道ではありません。ほどよい加減は、一つしかないのです。
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うわさ話

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社会

令和元年5月22日

 

また、『徒然草』の名言をご紹介しましょう。

第73段に「世に語り伝うること、まことはあいなきにや、多くはみな虚言そらごとなり」とあります。世の中に語り伝わることは、なかなか真実はないものだ。多くはみなウソの話ばかりである、といった意味になります。そして、そのウソの話の筆頭こそは〈うわさ話〉といえましょう。

お寺の中でも、よくあることです。私がちょっと元気のない顔でもしていると、誰かが「顔色が悪かったよ」と話すと、次の人は「病気じゃないの」となるのです。次の人は「かなり重症らしい」、次の人は「入院したらしい」、次はとうとう「もう、あぶないらしい」となって(笑)、私はいつの間にか殺されることになるのです(笑)。いや、これはもちろん冗談じょうだんです。

冗談ですが、しかし、私たちは人にモノを伝える時、たいていは少しずつ誇張して話していることがわかりますでしょうか。「多くはみな虚言なり」とは、このことです。自分の眼と耳で確認したこと以外は、よくよく気をつけねばなりません。

これが笑い話で済めば、まだいいのです。しかし、うわさ話が大きな誤解や、偏見、時としてとんでもない悲劇を生むことすらあることを知りましょう。言葉の刃物を「舌刀ぜっとう」とまで言うのです。こわい話ですよ。うわさ話は凶器にもなるのですよ。自重、自重。

山路天酬密教私塾

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