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家庭
令和元年5月28日
今や、〝おにぎり〟といえば、コンビニの商品が主流になりました。よく工夫され、それぞれにおいしく作られていると思います。
でも、やはり、どこかが違います。「おにぎり」といい、「おむすび」というのです。〝にぎる〟とか〝むすぶ〟という表現には、力学的なものに加えた何かがあるはずです。それは手作りのものと比べれば、よくわかるはずです。
私などは子供の頃から手作りのおにぎりをいただいてきたので、そのことがよくわかります。やはりお母さんがですね、こう濡れた手に塩をふりかけてですね、そうですよ、これが「手塩にかける」の語源なんですよ。いいお話でしょう。私はこのことを、何度も何度も法話で伝えてきました。
その手塩の上にご飯をのせ、力を加えるけれども、決して力まかせではありません。内に力を込めながら、逆に力を抑え、想いを込めるのです。つまり、ハンドパワーです。これが〝にぎる〟ことであり、〝むすぶ〟ことでしょう。ご飯の粒と粒を結ぶのであって、潰すのではありません。粒と粒が立ち上がり、生き生きと結ばれるのです。
私もコンビニのおにぎりをよくいただくので大きな声では言えませんが、あのコンビニのおにぎりは、型の中でご飯を押し詰めた「おしぎり!」なのです(笑)。批判しているのではないのです。その便利さにあやかりつつも、昔ながらの手作りの味を忘れないで欲しいということです。
特に若いお母さん方には、手塩にかけて〝おふくろの味〟を残していただきたいのです。母と子を結ぶ手作りのおにぎりこそ、本当に結ばれる「おむすび」なのですよ。だから、手塩にかけたおにぎりを食べさせていれば、そうそうヘンな子(?)には育ちません。そうでしょ。