入院生活の思い出

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人生

令和元年7月5日

 

急用が入りまして、三日ほどブログを休みました。

さて、実は私はたった一度だけですが、三週間ほどの入院生活を経験しました。あまりに荒行をやり過ぎたせいか、声帯ポリープが大きくなり、声が出なくなったためです。もう25年以上も前のことですが、都立大塚病院の耳鼻咽喉科で手術を受けました。

入院生活は退屈だと思いましたが、私にはとても楽しい毎日でした。まず、山のように本を持ち込みましたが、それらをことごとく読破することができました。普段はなかなか手をつけられず、いつ読もうかと悩んでいた本もかなりありました。途中で、さらに追加を運んでいただいたほどでした。読書に疲れると、病院内の庭園を散策しましたし、当時のウォークマンで音楽も堪能しました。私の普段の生活では、手に入らない時間ばかりでした。

また、簡単な茶道具も持参し、お見舞いの方々にはお抹茶の接待をしました。皆様、まさか病院でお抹茶をいただくとは思ってもみなかったはずです。とても喜ばれました。また、こんな患者もめずらしかったのでしょう。よく、看護士さんに笑われたものでした。

このような至福の時間が与えられたことに、私は大いに感謝をしたものです。いつも多忙な私に「少し静養しなさい」と、天の声が語っているようでした。人生は必要な時に、必要な場所で、必要な人と出会い、必要なことがおこるのです。もちろん、すぐには理解し得ないこともあります。不運と思うこと、不合理と思うこと、理不尽と思うことも多いはずです。それでも、やがて長い時間が過ぎた頃、自分には必要な経験であったことが理解されるはずです。

今となっては、あの入院生活もなつかしい思い出となりました。自分らしさを取り戻せたような、そんな思い出です。

山路天酬密教私塾

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