パーキンソンの法則

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社会

令和元年9月1日

 

何となく気づいたことなのですが、収入と支出はそれぞれに比例するようです。つまり、収入の多いお金持ちは豊かな暮らしをしていますが、それだけ経費がかかります。収入の少ない貧しい人は生活は苦しいけれども、あまり経費をかけずにそれなりに生きているということなのです。

たとえば、お金持ちは食事をすれば高級レストランに入り、旅行に出れば高級ホテルに宿泊します。広い住宅に住み、立派なドイツ車に乗り、ブランド品の衣服を着用し、子供には英才教育をしますから、万事に費用がかかり、税金も大変です。貧しい人はそんなことは無理とあきらめ、どうにか生活ができればよいのです。冷凍食品やコンビニのお弁当でも我慢ができますし、バーゲンやリサイクルを利用して何とか工面します。そして、時おり家族で〈回転ずし〉にでも足を運べば、充分に満足します。収入は少ないけれども支出も少なく、税金も少額です。

この事実には「支出額は収入に見合うまで増加する」というパーキンソンの法則があることを、最近になって知りました。つまり、お金は入れば入るほど出るという意味です。収入が増えれば支出も増える法則は、未来永劫みらいえいごう変わらないとまで喝破かっぱしています。大いに自戒せねばなりません。

中国の『礼記らいき』に、「るをはかりてずるをせいす」という言葉があります。パーキンソンの法則から私たちが学ぶべきは、このことでしょう。つまり、本当に必要なもの以外は、買わないことです。それでなくても、私たちの身辺にはローンを始めとして、多くの情報に誘惑されるはずです。テレビのショップ番組や、ネット販売の衝動しょうどうを制するのも容易ではないはずです。衝動を制す前に、まずは自分を制さねばなりません。自分を制すれば、ずるを制するのです。

山路天酬密教私塾

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