天与の恩恵

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人間

令和2年6月4日

 

最近の統計を調べますと、日本人の平均寿命は84・2歳で世界一にランクされています。もちろん、平均寿命と共に健康寿命も大切ですが、それにしても長命です。100歳以上もすでに7万人を突破したと聞きました。ただし男性の平均寿命は81・1歳、女性は87・1歳で6歳の差があります。20年前だと7歳の差がありました。いったい、この差はどこから来るのでしょうか。私はこのことが大変に気になり、素人しろうとなりの結論を出したいと書籍やネットで調べましたが、はっきりしたことはわかりませんでした。

女性は皮下脂肪が多いから、エネルギーを蓄えているといいます。山で遭難そうなんしても、女性の方が助かる確率が高いのは事実ですが、一概にはいえません。また男性は競争社会を生きるので、多くのストレスをため込んでいます。晩年にはすでに、その寿命まで損じているのかも知れません。しかし女性にも〝競争〟はありますから、決定的な理由にはなりません。

では男女の相違は何かといえば、生殖機能が異なるという一点に行き着きます。つまり、女性にはその生殖機能によって、毎月の〈生理〉があります。こうなると僧侶の私が出る幕ではありませんが、鼓舞こぶして調べた結論をお話しましょう。

まず若い世代の女性(五十代ほど)に比べて、高齢者(八十代以上)の方は初潮から閉経までの期間が短かったことがわかりました。若い世代の女性は、10代の前半から50歳前後までの約35年間を生理期間としますが、高齢者は10代半ばから40代半ばまでと、約30年間であったとされます。そうすると(これもマジメに調べましたが)、一回の生理が約6日、28日を周期とすると、年に13回、これを30年続けると〔6×13×30=2340〕です。これを一年365日で割ると〔2340÷365=6・41〕となり、何と平均寿命6年の差に一致(!)するのです。

女性はこの生理によって血液の老廃物を排泄はいせつし、男性よりも若々しい健康を保っているのではないでしょうか。女性が貧血になりやすいのは生理のせいでもありますが、それだけ血液の老廃物が少ないという証明でもあります。男性も女性の生理に負けぬよう配慮をせねば、平均寿命は追いつけないということになりましょう。しかし、男性でも血液の老廃物を排泄する方法はあります。その一つが献血で、これは人のためにもなります。男性は年に一度か二度の献血をするとよいのです。また瀉血しゃけつ療法(吸玉によって老廃物を取り除く施術)もあります。私も何度か後頭部の瀉血療法を受けました。レバーのような老廃物が出て、頭の中が「スカッとさわやか」になります。

気持ちのよい生活をするには、清掃や片づけが必要です。いらないものを捨てることです。私たちの体も同じです。女性はおつらいでしょうが、生理という天与の恩恵があるのです。長命であることも天与の恩恵です。男性はその分、別の努力をせねばならぬように作られています。「男はつらいよ」、いや、男もつらいのです。

山路天酬密教私塾

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