腎臓が寿命を決める

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健康

令和2年6月26日

 

皆様は〈腎臓じんぞう〉というと、単なる泌尿器の一種、つまり「おしっこをつくる臓器」ぐらいに思っているでしょう。

ところが、これが大変な間違いなのです。特に2017年10月に放送された『NHKスペシャル〈シリーズ人体・神秘の巨大ネットワーク〉』は、「〝腎臓〟が寿命を決める」というタイトルでその重要性が強調されました。実は漢方(中医学)では、人体における生命力の根源を〈じん〉あるいは〈腎気じんき〉と定義し、これを最も重要な臓器であると考えます。すなわち、〈腎〉には「先天の精」が蓄えられると共に、「後天の精」が補充されるという見方をします。「先天の精」とは父母から受け継いだ遺伝的な生命力のことで、「後天の精」とは誕生以来の食生活や生活習慣、つまり養生ようじょうよって得られた生命力のことです。この二つの精が〈腎〉に貯蔵されるとするのです。

また貝原益軒かいばらえきけんの『養生訓ようじょうくん』には、「腎は下部にあって五臓六腑の根本である。腎気が弱くなると、身体の根本が衰えていまう。ゆえに養生の道では腎気を保たなければならない」と力説されています。「五臓六腑の根本」と言っています。まさに「腎臓が寿命を決める」と言う表現も、決して誇張ではないことがわかりますでしょうか。

ただし、漢方での〈腎〉とは単に腎臓のみを指すのではありません。活力に関するホルモンを出す副腎ふくじん、生殖器にかかわる男性の睾丸こうがん精巣せいそう、女性の卵巣や子宮もすべて〈腎〉なのです。つまり〈腎〉と定義する全体のはたらきを、生命力そのものと見るのです。そして、この〈腎〉の衰えを「腎虚じんきょ」といい、これを老化と見るのです。足腰が弱くなる、皮膚がカサカサになる、顔色や肌色が悪くなる、老眼や白内障になる、耳が遠くなる、そしてヤル気がなくなる、記憶力が衰えるなどの老化現象は、すべてこれ「腎虚」が原因であると漢方は主張します。

また、若い方でも「腎虚」の症状として、非常に疲れやすくなります。しかも、「腎虚」による腎臓病は現代医学ではほとんど治りません。したがって、医師はすぐ「そろそろ透析とうせきが必要ですね」と宣告します。しかし、週三回、一回に四、五時間を要する透析療法は、腎臓病患者にとって大きな負担になることは言うまでもありません。

実は私の父も腎臓病を患い、医師より透析を宣告されていました。しかし、私はこれぞと思う漢方薬を10年以上にわたって送り続け、透析をせずに父の天寿をまっとうさせることができました。明日はこのブログのレベルで、私が学んだ〈腎〉を養う方法をお伝えします。

山路天酬密教私塾

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