続・偉大な発想は何から生まれるのか
令和6年5月27日
18世紀のフランスに、ジャン・ジャック・ルソーという偉大な思想家がおりました(写真)。私はたまたま誕生月日が同じという奇遇も手伝ってか、若い頃からこの思想家に興味をいだき、その著書も愛読しました。ちなみに、童謡の『むすんでひらいて』はルソーの作曲です。歌詞(作詞者不明)は「もめごとがあった時は、互いに手をゆるめよう」というのが本当の意味です。
ルソーは著書の中でこんなことを述べています。
「歩くということは、私を生き生きとさせ、思索を活性化させるものがある。じっとしていると、私はほとんど何も考えることができない。私の精神を動かすためには、私は動いていなければならないのだ。田園の眺め、心地よい景色、大気、それらすべてが私の魂を開放し、思想をいっそう大胆に導く。私の心は気に入るものを統合し、一体化し、美しい映像に囲まれ、甘美な感情に酔いしれる」(『告白』一部中略)。
およそ散歩という日常の行為を、これほど知的に昇華させた人はいないと思います。ルソーは孤独でありましたが、孤独とさびしさは異なるものです。そして、人はその本質が孤独であることも知らねばなりません。孤独を自覚してこそ、人は自分に立ち返り、求める幸福から与えられた幸福を知ることができるのです。さびしいと思うのは、あれがあればこれがあればと、幸福を外に求めるからです。
皆様の近辺にも、心を癒せる場所が必ずあるはずです。本来の自分にもどれる時間を、ぜひ作ってください。太陽の光は幸せホルモンとなり、自然の草木は絵画となり、鳥のさえずりは音楽となるのです。
偉大な発想は何から生まれるのか
令和6年5月26日
あさか大師から新河岸川に沿って遊歩道を1キロほど東南に進むと、「わくわく田島緑地」に出ます(写真)。美しい自然に恵まれ、散歩には絶好のコースとなります。私は毎日、運動靴をはいてここを散歩するのが日課になりました。
また、当所は新河岸川が荒川に合流する要所でもあり、池波正太郎著『鬼平犯科帳』の名作「大川の隠居」で〈川越船頭〉が暗躍する舞台でもあります。私はことのほか鬼平ファンでありますから、時が変わった240年後の景観を、ひそかに楽しんでいることになりましょう。
散歩をして10分ほどすると体温が上がり、血行が促進し、意識はいつの間にか日常から離脱します。足を使って歩くことにより、眼前の景観が脳を刺激して時空を超えるからです。知的世界が開け、新しい発想が生まれることは間違いありません。
私はお釈迦さまやお大師さまは、偉大な瞑想の行者であると共に、〈旅の行者〉であったと思っています。お釈迦さまは生涯にわたって、インド各地の伝道布教を続けました。お大師さまは若き日に奈良や四国を練行し、後には京都と高野山を巡錫しました。偉大な発想はこうした旅の途中で生まれたのです。
お遍路(巡礼)をして病気が治ったり、新しい生き方に目覚めるのは、足を使って歩くことにより、身も心も変わるからです。足は第二の心臓です。そして全身の縮図です。足の裏をもむ健康法があるではありませんか。
散歩なら費用はかかりません。トレーナーも不要です。年齢も問いません。皆様もぜひ、一日30分ほどの散歩を実行してください。今までとは別の人生が開けます。考えがまとまり、アイデアがひらめきます。もしかしたら、「人間は考える足?である」かも知れません(笑)。
異次元体験を望むなら
令和5年8月31日
日本人の体温が、非常に低下しています。特に女性の方は、35度台の方が増えました。人間の体温は36・5度をもって、正常に働くようできていますから、これでは体調不良を訴えたり、病気になるのもあたりまえです。
低体温によっていかに健康を害するかについては、石原結實先生のベストセラー著書『「体を温める」と病気は必ず治る』によって、かなり知られるようになりました(写真右)。また女性用としては、同著者による『女性の不快症状は体を温めると必ず治る』もあります(写真左・共に三笠書房刊)。
低体温によって、人間の体にどんな症状が現れるかについてお話をしますと、36・5度(健康体)・36・0度(皮膚に触れると冷たく、やや震えがおきる)、35・5度(排泄不良・自律神経失調症・アレルギー疾患)・35度(ガン細胞の増殖)・34度(水におぼれて、生命回復がギリギリの状態)・33度(冬山で遭難し、凍死寸前の幻覚が現れる体温)・30度(意識消失)・29度(瞳孔拡大)・27度以下(死体の体温)、などとなります。体重を量るより体温を測ることが、いかに大切であるかお分かりいただけましょう。
現代人は夏には24時間クーラーを使い、冬でも夏野菜を食べ、ペットボトルの冷たい水を飲み、お風呂に入らずシャワーで済ませる生活をしている方が多いのですから、体温が低下するのは当然です。水分補給は大切ですが、汗や尿によって十分に排泄しなければ、体が冷えます(中医学では水毒といいます)。塩分を控える人がこれほど多くとも、高血圧の人口はいっこうに減りません。塩分が体温維持に必要な根拠も、ここにあります。もちろん、運動不足による下半身の筋肉低下から、心臓に負担がかかるという理由もあります。
石原先生はショウガ紅茶やスクワットなどをすすめて、体温を上げる食事や運動を提唱しています。しかし、私が提唱するのは、何といっても読経です。私などは毎日のお護摩の後は、サウナに入った時のように汗が出ますが、読経だけでもかなり体温は上がります。しかも、お腹から大きな声で読経をすればストレスを発散し、新陳代謝を促進します。皆さん、髪の毛や爪の伸びが早くなるといいます。しかも神さま仏さまには法楽となり、先祖には供養となり、自分には健康のためになるのですから、やらない手はありません。
ただし、眠気を誘うような読経ではいけません。天上に響くように、堂内が振動するように、全身で唱えることが大切です。その異次元体験を望むなら、あさか大師にお越しください。毎日、11時半からです。
皆さん、「異次元体験!」ですよ。
続・奇跡がおこる「幸せの粕汁」
令和5年8月28日
酒粕のすぐれた薬効については、秋田大学名誉教授・滝澤幸雄先生の研究発表によって明らかになりました。今では手軽な書籍がたくさんありますので、ぜひご覧になってください(写真は学研『酒粕のパワーでやせる! 健康になる!』)。
酒蔵の杜氏の方々は肌はツヤツヤ、手はツルツルでシミ一つありません。酒造会社が酒粕化粧品の開発を競っているのも当然のことです。そして、酒粕を日常に食していれば、ダイエット効果も高まります。それどころか、酒粕は血糖値や血圧を下げ、動脈硬化や脳梗塞を予防し、アレルギー体質を改善し、肝機能を復活させ、さらにはがん・骨粗しょう症・更年期障害・うつ病・認知症・老化などに、信じられないほどの薬効があります。『奇跡がおこる「幸せの粕汁」』が、まんざら大げさではないことをわかってほしいのです。
その秘密は、発酵食品ならではの豊富な栄養素にあります。タンパク質・食物繊維・ビタミン(特にB群)・ミネラルなどはもちろん、アミノ酸も半端ではありません(糖質が多いのに、血糖を吸収します)。調理法は無限に広がりますが、味噌汁に加えたり、甘酒としていただくのが最もポピュラーです。スーパーでも酒粕の甘酒は人気があり、まさに「お米のヨーグルト」といえるのです。
日本には味噌・醤油・梅干し・納豆といったすぐれた食品がありますが、酒粕を見逃してはなりません。皆さんは酒粕というと、何となく「酒臭い!」というイメージがあるでしょうが、決してそんなことはありません。私も「幸せの粕汁」を知って以来、ヤミツキになりました。
和食が世界的に人気があるのはよいとして、私はいずれ、酒粕が世界中から注目されることを信じて疑いません。それほどに、日本のお米は偉大だということです。皆さんも、ぜひ酒粕を見直してください。そして、ご家族の健康を守り、奇跡をおこしてください。
奇跡がおこる「幸せの粕汁」
令和5年8月24日
私は毎日、具だくさんのみそ汁に酒粕を加えた、いわゆる〈粕汁〉を作っていただいています。
そして、ご先祖にも供え、僧侶やご信徒の皆さんにもふるまっています。特に弟子僧はお護摩の後、持参したおにぎりをいただきますので、この粕汁が楽しみなのでしょう。若い方は三杯もおかわりします。そして、粕汁とはこんなにもおいしかったのかと驚き、身も心もホッとして幸せになります。落ち込んだ人までも顔色が明るくなり、食欲が出て、元気をいただきます。まさに、奇跡がおこる「幸せの粕汁」です。その事実は、多くの方々が知っています。
粗食を代表して「一汁一菜」などといいますが、具だくさんであれば煮物もいらないほどの、実は豊かな食事なのです。私は普通、ダイコン・ニンジン・ゴボウ・しいたけ・こんにゃく・油あげ・豆腐の七種類を入れています。酒臭さなどありません。どなたでも、喜んでいただけます(写真)。
人は何が幸せかといえば、おいしいものをいただいている時です。幸せは感じ取るものですが、いつでも、どこでも、誰でもとはいきません。しかし、おいしいものをいただいている時ばかりは、みんなが幸せになります。若い頃、私はもらって来たパンの耳ばかりで暮らした時期がありましたから、そのことは身をもって知っています。
普通にご飯をいただけることこそが、人としての第一の幸せです。普通にご飯をいただければ、あとは何とかなるのです。皆さんも、奇跡がおこる「幸せの粕汁」に出会えるよう、あさか大師へお越しください。ただし、行事の時は出せません。普段の日におにぎりを持参すれば、たいていは出会えます。
ちなみに、私は全国の酒粕を試食しましたが、自信をもっておすすめするのは広島・〇〇〇酒造のものです。絶品ですよ。
不老長寿の仙菓
令和5年6月1日
私はお菓子はあまり食べない方なのですが、代わりにいただいている〝おやつ〟が二つあります。
その一つがナツメで、中医学(漢方)では「大棗」という生薬で呼ばれています(下写真右)。胃腸の弱い人には最適ですし、食欲のない時や疲労がたまった時にナツメを食べると元気になります。また血が不足していたり、不眠で悩んだ時などの症状に効能があります。つまり滋養強壮・精神安定の妙薬なのです。さらに、花粉症で悩んでいる人には、これを煎じて飲むよう、そっと(!)教えています。
ナツメは日本ではあまり普及していませんが、中国や韓国ではかなりメジャーな食材です。中国の火鍋(フォーゴー)や韓国の参鶏湯(サムゲタン)などには欠かせません。ホテルの朝食にさえ出されることもあります。ほんのりと甘く、とてもおいしいです。今はネットでも手に入り、無農薬栽培やタネ抜きの商品もあります。
ちなみに、ナツメはあさか大師で毎年二月の第二日曜日に奉修する〈開運星祭り大護摩〉のお供物でもあります(下写真・奥より三列目)。つまり、神々の仙菓として、これを供えるわけですから、私には特に霊気のこもったありがたい食材といえるのです。中医学では「ナツメを一日三個食べれば老化を防ぐ」とされ、私は毎日これを実行しています。事実、年のわりには若く見られますよ。
さて、二つ目はクルミです(上写真左)。中医学には臓器を強くするには、同じような形をしたものを食べなさいという教えがあるのをご存じでしょうか。そこで、ボケ防止には脳の形をしたクルミがよいといえるのです。首をかしげる人もいるでしょうが、これは本当です。中医学では「胡桃肉」と呼ばれ、れっきとした生薬なのです。私はかなり思考回路を働かせるので、ナツメといっしょにポリポリとかじっています。思考回路の悪い人(失礼!)は、ぜひお試しを。
クルミはまた、いま話題のオメガ3系オイルをたくさん含んでいます。魚油に含まれるDHA・EPAと共に、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げ、血流を促進します。講釈はともかく、成分など何も知らなかった古代人の智慧には驚かざるを得ません。まさに〈仏智〉といえるのです。
足裏は人体の縮図です
令和5年4月10日
足裏は人体の縮図です。なぜなら、足裏にはたくさんの〈反射区〉があり、それが人体の要所に直結しているからです(写真は大堀和三著『人は足から健康になる』インターハート刊より)。
この足裏の反射区をもむと、体の調子がよくなることは間違いありません。反射区には血液の汚れがたまっているからです。その汚れが多いほど、指でもむと痛みを感じます。ちょっとさわった程度でも、悲鳴をあげる人がいるほどです。これは本当ですよ。なぜなら、心臓の位置は身体の上から三分の一の高さにあります。したがって上半身の血液はよく循環しますが、身体の下ほどその循環が悪く、足裏には血液の汚れがたまっていしまうのです。だから、足裏は「第二の心臓」とまで呼ばれるのです。
作家の橋田壽賀子さんは一昨年、96歳の天寿をまっとうしましたが、とにかく健康法には熱心でした。朝から水泳に励み、夕方は犬の散歩、テレビを見る時は自転車のペダルを回し、電話中は竹踏みを実践しました。この竹踏みこそ〈足裏健康法〉にほかなりません。
私もかつては台湾の官有謀先生の講習会に参加し、その原理を熱心に研究しました。また足裏ローラーを購入して、今でも実践しています。また、入浴中はふくらはぎもよくもむよう心がけています。足裏からふくらはぎまでもむのが、官先生の教えであったからです。
昔の人はわらじを履いて仕事をしたり、お遍路をしましたが、これはまさに足裏健康法であったのです。お遍路によって奇跡的に健康を取り戻した場合、信仰に加えてこの足裏健康法が役立っていたことも事実ではないでしょうか。食事とともに、歩くことが健康の基本であることは、昔も今も変わりません。
人は病気をするから健康なのです
令和5年3月8日
人は病気をするから健康なのです。健康だからこそ、そして健康を維持するためにこそ、病気になるのです。完全な健康など、絶対にあり得ません。
病気は本来、健康を守ろうとする尊い働きです。熱が出るのは害菌を減らし、汗によって毒素を排出させようとする働きです。痛みが出るのは血液を集め、病根を壊滅させようとする働きです。吐気も下痢も、同じことです。このような症状が何一つ現れないとするなら、私たちは体の異常を感じ取り、健康を守ることなどできません。私たちは病気をするから健康を守ることができるのです。そして、病気をしながら健康を維持しているのです。
つまり、病気をすることと健康であることは同時にあるのです。『般若心経』はこれを「色即是空」と表記しています。〈色〉は病気なら、〈空〉が健康です。一般にはこれを「色は即ち是れ空なり」と音読し、〈色〉と〈空〉はイコールであると定義します(写真は金岡秀友『図説・般若心経』)。
しかし、私はこれを「色は是の空に即し」と音読してはどうかと主張しています。〈色〉と〈空〉はイコールではありません。病気と健康もイコールではありません。少なくとも人は、病気と健康が等しいなどとは夢にも思っていません。たしかに〝反対のもの〟です。しかし、同時にある、即しているのだといえば、いくらかはわかりますでしょうか。
病気は体の異常を感じ取り、同時に健康を守ろうとする尊い働きです。イコールではなく、同時にある、即しているということです。私たちには煩悩(色)があります。しかし、煩悩があるとわかるのは、本来は菩提(空)があるからです。本来は仏であるからです。煩悩と菩提は反対のものですが、実は同時にある、即しているのだということです。これが「煩悩即菩提」という仏教の教え、万古不変の真理です。
お腹が痛くなったら、胃に「教えてくれて、ありがとう」と言いましょう。動悸を覚えたら、心臓に「こんなに負担をかけて、ごめんなさい」と言いましょう。こうして薬を飲めば、回復が早まります。お大師さまにご祈願をすれば、さらに早まります。私たちは病気をしながら、健康を維持しているのです。病気は健康を守ろうとする尊い働きです。
健康は呼吸で決まる
令和5年2月17日
生きるとは〈息る〉こと、〈息をする〉ことです。だから、生きていくうえで、呼吸ほど大切なものはありません。健康は呼吸で決まるとさえいえるのです。よい呼吸をすれば健康になり、悪い呼吸をすれば健康を害するのです。
私たちは「食べていけるのか」「何を食べようか」と、食べることは忘れません。しかし、食事をせずとも何日かは生きていけますが、呼吸が止まれば、もはや生きていくことはできません。呼吸は生命を守る一大事であるのに、むしろ食事より大事であるのに、人は何も考えなければ、ケアもしないのです。これは誰が考えても、おかしなことです。
私たちは1分間に約15回、1日に約2万回、1年間に約730万回の呼吸をします。しかも、片時も休むことがありません。空気中の酸素を体内に取り入れ、栄養素を燃焼させてエネルギーに変え、これを生涯にわたって繰り返しているのです。ところが食事と同様、よい呼吸を習慣にして健康な人もいれば、残念ながら悪い呼吸によって不調を招いている人が多いのも事実です。
では、よい呼吸とは何でしょうか。それは深くて乱れのない呼吸です。反対に悪い呼吸とは浅くて乱れの多い呼吸です。実は、ここで健康の差が出るのです。皆様は「乱れた呼吸など、するはずがない」と思うでしょうか。では、悩みや苦しみを抱えた時、どんな呼吸をしているでしょうか。あるいは不安や怒りを覚えた時、どんな呼吸をしているでしょうか。このような状況に陥いると、人はゼイゼイ、ハアハアとまではいかずとも、大変に浅い、乱れた呼吸をしています。
そうすると、酸素が不十分となり、エネルギーを生み出せません。自律神経が乱れ、体内の機能が低下します。疲労が重なり、健康までも害するのです。呼吸は私たちが意識している以上に、はるかに大きなレベルにあることがわかりますでしょうか。健康法は数限りなくありますが、呼吸に無関心であることは、まるで足もとで墓穴を掘っているようなものです。
私はいつも〈声出し健康法〉をおすすめしていますが、これは深くて乱れのない呼吸そのものであるからです。もう、おわかりでしょう。お寺で読経をすることは、最高の健康法です。ストレスを解消し、心を平安に導きます。臓器の衰えを防ぎ、老化までも遅らせます。しかも、仏さまには法楽となり、先祖には供養となります。
私はさらに、吹奏楽器(あるいは類した健康機具)による呼吸筋の鍛錬もおすすめしています。つまり、肺を膨らませる筋肉を強化することです。私は毎日のお護摩で法螺貝を吹きますので、この点でも幸運この上がありません(写真)。
皆様もハーモニカや笛など、呼吸筋に関わる楽器に親しんでみてください。口元やほうれい線などにも効果テキメンで、美顔に導くことを保証します。顔の表情も豊かになりますよ。実は「私が証明です!」といいたいのですが(笑)。
最高の声出し健康法
令和5年1月22日
私たちは産声をあげてこの世に誕生します。つまり、この世に生れた最初の行動は、声を出すことでした。また、泣き声の大きい赤ちゃんは元気だともいわれます。これも、声の大きさが生命力の如何を証明する事実ともいえましょう。
逆にいえば、意識的に腹式呼吸(生命力の宿る丹田からの呼吸)をしつつ、大きな声を出せば健康法としての効果が期待できるのです。たとえば、カラオケです。カラオケで一曲を歌うと、100メートルを全速力で走った時と同等の有酸素運動になることがわかっています。全力疾走は心臓の悪い人には勧められませんが、カラオケなら何の問題もありません。楽しく歌いながら自律神経を整え、ストレスを解消し、血管をしなやかにし、血圧も下がります。さらに、動脈硬化を引きおこす中性脂肪まで減少することが判明しています。
これは私が知っている実話ですが、ある70代の女性が肺がんを患い、主治医から余命2年以内と宣告を受けました。彼女は人生の最後をどのように過ごすかを思案しましたが、カラオケで青春時代の思い出の曲を歌ってみたいと決心するにいたりました。ところが、自分でも驚くほどにハマってしまったのです。彼女は毎日毎日、カラオケに夢中になりました。どうしてもっと早くカラオケに出会えなかったのかと、悔やんだくらいでした。
半年ほど過ぎた頃、また主治医のもとを訪れ、再検査をしました。するとどうでしょうか。あの肺がんがスッカリ消えていました。有酸素運動によって自然治癒力が高まり、健康な肺に戻っていたのです。私はこのお話を聞くや、いわゆる〈声出し健康法〉に対して大きな自信を得ました。しかし考えれみれば、カラオケをせずとも、声出し健康法なら私は一日として休むことなく実践しています。皆様、おわかりですよね。
そうです、読経こそは〈最高の声出し健康法〉なのです。しかも、単なる健康法にとどまらず、仏さまには法楽となり、ご先祖には供養となり、自分には功徳となるのです。さらに訳文を学べば教養となり、写経をすれば書道の稽古となり、携帯すれば御守となるのです。こんな健康法が、ほかにあるでしょうか。あさか大師では僧侶はもちろんですが、参詣者が一緒に読経ができるよう『あさか大師勤行式』を販売(一冊千円)しています(写真)。
一般には、腹式呼吸は女性の方は苦手だとされますが、心配いりません。あさか大師で一緒に読経をすれば、自然にお腹から大きな声が出るようになります。まるで〝天上の声〟です。「お経は耳で読め」といいますが、お腹から声を出す僧侶の方と一緒に読経をすることが大切です。論より証拠です。皆様、〈最高の声出し健康法〉にどうぞお越しください。