インドのお粥はなぜ甘い?

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仏教

令和4年11月16日

 

釈迦しゃかさまは出家して後、6年間の苦行を続けました。苦行中の尊像も残っていますが、まさに骨と皮です。しかし、苦行ばかりでは悟りには至らないと考え、ネーランジャラー河で沐浴して瞑想に入ろうとしました。しかし、体力は極限に達して動くこともできません。

その姿を見て、滋養のある乳粥にゅうがゆ(インドのお粥)を供養したのがスジャータという娘でした。おわかりでしょうが、コーヒーフレッシュのあの「スジャータ」はこの娘の名前をとった商品です。生い立ちのよい娘であったそうです。お釈迦さまはその乳粥の供養を受けて体力を回復し、菩提樹ぼだいじゅの下で瞑想し、ついに悟りを開きました。仏陀の誕生です。したがって、仏陀を誕生させたスジャータの功徳は、絶大なものといっても過言ではありません。

ところで、スジャータが供養した乳粥とは何でしょうか。これをヨーグルトと書いている本もありますが、それは間違いです。インドのお粥はお米を牛乳で煮つめ、砂糖か蜂蜜はちみつを加えた甘い味で「キール」といい、ナッツやレーズンを添える場合もあります(写真は私が作ったキール)。私も若い頃には、よく断食して荒行にいどみました。ヘトヘトになってもお粥をスプーン一杯口にすれば、たちまちに体力が回復することは体験で知っています。お米はそれほどに偉大(!)なのです。

なぜ甘くするのかといいますと、甘味にはお祝いの意味があるからです。インドではお祝いがあると、キールを作って食卓に並べます。日本では赤飯ですが、東北や北海道の赤飯が甘いのも同じ意味です。

真言密教ではお護摩の油にも蜂蜜と〈〉を加えます。また、神さまにお粥を供養する場合も同じです。喜びの供養するわけですから、これもお祝いですよね。酥とは牛乳を煮つめた濃厚な状態で、今の食品でいうならエバミルクが妥当でしょう。

余談ですが、現在のコーヒーフレッシュは乳製品ではありません。だから、冷蔵庫に入れる必要がないのです。本当の乳製品なら、冷蔵庫に入れますよね。ネットで検索してみてください。あれは植物油を科学反応で白く見せ、添加物を加えただけの商品です。だから、お客さんがいくらでも使えるようにしているのです。私はコーヒーはブラックか牛乳を入れて飲んでいますが、皆様にもコーヒーフレッシュはおすすめできません。よくお調べください。

さらに余談ですが、日本のインド料理店では、どうしたことかメニューの中にキールがありません。私が知っているかぎりでは、銀座の〈ナタラジ〉という店がデザートとして出していました。めったに外食しないのに、一度だけ出向いた思い出があります。インドでは生米のまま牛乳で煮つめますが、炊いたご飯からでもよいでしょう。キールがどんな味か、皆様もぜひ試食してみてください。

山路天酬密教私塾

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