縁日護摩と得度式

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あさか大師

令和4年5月21日

 

毎月21日は、お大師さまのご縁日です。私は毎日お護摩を修していますので、特にお大師さまの〈縁日護摩〉という日を設けてはおりません。それでも21日というと、どことなく力が入ります。本日は土曜日だけあって、弟子の僧侶の方が集まり、勢いよくお護摩を修しました。また、その後に二名の方の得度式とくどしき(仏門に入る儀式)がありました(写真)。

私が地方の在野ざいやにあって、僧侶を養成しているには理由があります。それは、名だたる総本山での修行ともなれば、何かと敷居しきいが高く、仕事を休まねばならず、剃髪ていはつ(髪をおろすこと)が義務づけられているからです。また、多くは年齢制限もあり、費用もかかります。途中で脱落する方が出るのも、無理はありません。

四度加行しどけぎょうという修行に入っても、大勢でいっしょに伝授されますので、行法の意味を解説されることもなく、質問も許されません。もちろん、そこにはそれなりの伝統ある深義があります。しかし、大方の修行者は何をしているのかわからないまま、傳法灌頂でんぼうかんじょうという秘儀を経て資格を得ます。また印可いんかという、いわゆる〝お墨付き〟をいただいても、何の説明もされません。これは〝集団〟で育成する当然の結果なのです。

私はこうした理由から、信仰心にあふれる求道者のために、ささやかな門を開きました。自分の理想にはまだまだ至りませんが、それでも工夫を重ね、縁ある方と共に歩んでいます。ご信徒のことはもちろんですが、これが私に課せられた責務であると自戒し、これからも励んでまいります。

山路天酬密教私塾

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