続続・日本人の食事

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食事

令和2年3月15日

 

現代の日本人はペットボトルを持ち歩き、常に冷たい水やお茶を飲んでいます。会議や集会に出れば、テーブルにはさらに別のペットボトルが置かれています。そして、医者も栄養士も「水分をとりなさい」と言います。一日二リットルが理想だというのです。朝に目覚めれば冷たい水をまず一杯、夜の就寝前にまた一杯、夜中にトイレに起きれば不足したその水分をまた一杯です。本当に必要な水分であるのかは、多いに疑問です。

ペットボトルがそこに〝ある〟から飲むのです。あるいは、せっかく買ったのにもったいないから飲むのです。昔の日本人なら、夏でも急須きゅうすてた温かいお茶を、梅干しなどと共にいただきました。だから、水分がしっかりと細胞内に吸収され、熱中症になどなりませんでした。

また、夏野菜や南方の果物といった体を冷やす食品が、一年中食卓にのぼります。しかも、夏になればクーラーを使いますから、体はますます冷えていきます。これではいくら水分をとっても細胞には吸収されません。漢方でいう〈水毒〉の症状です。水分信仰にはこんな落とし穴があることを知らねばなりません。

もう一つ気になるのが減塩信仰です。いまスーパーに行けば、減塩味噌みそと減塩醤油しょうゆのオンパレードです。まるで「塩分が日本人を滅ぼす」と言わんばかりです。それでいながら、高血圧の人口はいっこうに減りません。これはいったい、どうしてなのでしょうか。

そもそも病状というのは、たった一つの要因で語られるものではないのです。年齢・体質・遺伝・運動・食事・ストレスなどが、さまざまに関わることは当然のことです。むしろ、わずか数グラムの塩分を減らすためのストレスの方が高血圧を呼んでいるのかも知れません。それに、いま販売されている醤油のほとんどは、脱脂加工大豆(油をしぼった残りカス)から作られています。醤油本来の酵素が働きませんから、ますます高血圧を呼ぶことになります。

塩は大切なミネラルです。問題なのは人工的に合成された食塩(塩化ナトリュウム)であって、海水を天日干てんひぼしにした自然塩ならさほど気にする必要はありません。それに、体温を上げるのも塩のはたらきです。体を冷やす食事や水分と食塩の相互関係が、日本人の体温を下げています。特に若い女性には35度代、まれには34度代までいます。これでは赤ちゃんを産めません。妊娠しない女性が多いのも当然のことです。

昔の僧侶は真冬でも素足で過ごしました。自然な発酵食品や塩をしっかりとっていたからです。これからは、体温を上げる医学や栄養学が重要視されるべきなのです。

山路天酬密教私塾

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