カレーはマンダラ料理です

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食事

令和4年12月28日

 

昨夜カレーを作りました。ただ、私の役割はカレーソースを作るだけです(写真)。トッピングする具は誰が作ってもよいので、材料だけを用意します。カレーは特に猛暑の夏に合いますが、暖かくした部屋で冬にいただくのも、格別なおいしさです。私は子供の時から研究しましたので、自分のカレーにはかなりの自信があります。お坊さんをやめたらカレー屋になってもよいとさえ思っています。

ところで、カレーはインド料理の代表でしょうが、私はあえて「マンダラ料理」と呼んでいます。なぜなら、カレーは五味(甘味・苦味・辛味・塩味・酸味)のすべてが融合して混然一体となり、絶妙の味をかもし出しているからです。五味のそれぞれが互いに溶け合い、毎日でも飽きることなく、子供から高齢者まで、世界中でこれほど愛される料理はありません。さらに、薬膳やくぜんとしても評価されています。私がマンダラ料理と呼ぶ理由もここにあります。まるで教義の違った世界中の宗教が、いっしょに手をつないだ感がありましょう。

皆様もご存知とは思いますが、インドには「カレー粉」と呼ばれる食材はありません。インドの家庭ではいろいろなスパイスを調合して、それぞれの家庭で独自の〝カレー粉〟を作るからです。私は既製のカレー粉も使いますが、芳醇な香りを出すため、かなりのスパイスを使います。また、日本のカレールウは小麦粉でとろみを出しますが、インドではヨーグルトやタマネギ(チャツネ)、野菜や果物でとろみを出します。その濃厚な味を知ると、日本のカレーはどんなに工夫を加えてものりのような食感にしか思えないほどです(失礼!)。

最近はいろいろなカレーが、レトルト商品として発売されています。インドカレーを日本に知らしめた〈〇〇屋〉のみならず、タイカレー、各地の名店カレー、うわさの〈〇〇カレー〉など、スーパーには列をなして並んでいます。私はかなり買い込んで食べ比べをしましたが、どれ一つとして、太鼓判を押す商品はありませんでした。私の味覚は、レトルトには合わないのかも知れません。

かといって、私は日本のカレーを卑下ひげするつもりはありません。野菜がゴロゴロと入ったお母さんのカレーは、家族にとって最高のごちそうです。普段、スーパーのお惣菜で済ませることはあっても、カレーばかりは手作りでお願いしたいと思っています。また手軽な昼食として、キャンプやもよおしの献立として、カレーほど適切な料理はありません。主婦は何をおいても、まずはカレーを工夫すべきであると私は思っています。何しろマンダラ料理です。カレーだけでも、一家和合は間違いありません。

山路天酬密教私塾

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