人生の短さについて

カテゴリー
人生

令和元年6月27日

 

古代ローマにセネカという哲学者がおり、『人生の短さについて』(岩波文庫)という本を残しています。彼はこんなことを言っています。

「われわれは短い時間を持っているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。人生は充分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことを完成させるほど豊富に与えられている」

なかなかインパクトがありますが、実に耳の痛いお話です。私も皆様も、人生の多くの時間を浪費していることに間違いはありません。まことにもって、そのとおりでありましょう。

時間は年齢と共に短く感じられるようです。子供の頃の一年はとんでもなく長く、それこそクリスマスやお正月が待ち遠しかったはずです。それが青年期・中年期を過ぎれば、一年などアッという間です。そして、還暦でもすぎれば、もう〝転げ落ちる〟ほどの感覚です。

それでも、私はあえて、何もしないムダな時間の大切さを主張したいと思います。何もしないといっても、何かを考え、何かを想像していることに変わりはありません。そのムダともいえる時間を過ごしてこそ、一気に集中して物ごとに取り組めるからです。この集中と休息のバランスこそ、私は大切だと思います。

「時は金なり」といいますが、お金で買えないものも時間なのです。余裕の時間をうまく使ってこそ、「その全体が有効に費やされる」はずです。いかがですか、皆様。

山路天酬密教私塾

詳しくはここをクリックタップ