ケンカをして仲良しに

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人間

令和元年9月21日

 

ラグビーの〈ワールドカップ2019日本大会〉が開幕しました。私はラグビーはルールすら知りませんが、昨日は開幕の対ロシアの試合を、途中からテレビで観戦しました。

あれはまさに、ボールを使った格闘技です。もっと下世話げせわに言えば、一種の〝ケンカ〟です。試合中は互いに激突して、取っ組み合いの寸前でした。でも私は、ラグビーがなぜ「紳士しんしのスポーツ」と呼ばれるのか、その理由がわかりました。

人間は互いに本音をさらけ出し、力の限界をさらけ出さねば本当の仲良しにはなれません。ラグビーはそれをスタジアムで証明するスポーツなのです。そして、選手どうしも観客どうしも熱狂して戦い、怒り、叫び、そして仲良くビールを飲んでいます。これは、人間が紳士になれる根底をついているからです。

はるかな記憶ですが、私がもの心のついた頃、農村の子供たちはよく徒党を組んでケンカをしました。川の両岸や土手に集まっては一列に並んで向かい合いました。そして、双方の大将が前に出て名のりをあげ、取っ組み合いをしました。まるでヤクザ映画の子供版です。私などは後ろの方で、指をくわえてそれを見ていたものです。

ところがケンカが終ると、互いが健闘をたたえ合い、得がたい仲良しになるものでした。たかが子供どうしのことですが、今思い出せば、あれこそはラグビーが紳士のスポーツであることと通ずるものがあるように思います。

このような例はスポーツはもちろんのこと、政治家どうし、経営者どうし、科学者どうしでも同じです。人間が本音をさらけ出し、力の限界をさらけ出してケンカをした時、不思議な友情が生まれます。この事実は、私たちが何らかのケンカに巻き込まれた時、必ず役立つはずです。

山路天酬密教私塾

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