鈍感力
令和元年5月31日
渡辺淳一さんの著作に『鈍感力』があり、かなり話題になりました。
一般的なお話として、鈍感な人が讃えられることはありません。むしろ、敏感で鋭い人ほど求められ、リーダッシップを発揮するはずです。でも渡辺さんは、鈍感であることは大きな才能であると主張しています。なぜなら、鈍感であるからこそマイペースで物ごとを進め、イヤなことを気にせずに、ストレスをためることもないからです。それだけに、腰をすえてじっくりと仕事に取り組めることでしょう。
それに比べると、敏感な人は反応が早く、シャープで神経質でせっかちです。何でも一人でやろうとするから、人に任せることができません。その反面、周囲が常に気になるからストレスをかかえます。自分の感情が、すぐ顔や行動に現れます。始めるのも早くれば、あきらめるのも早いはずです。
だから、鈍感であることは自慢にしてよいのです。成功への原動力として「運・鈍・根」の三文字があげられるのもこの意味でしょう。運のよさや根気に加えて、鈍感であるほうが最後までやり遂げる底力があるのです。ご自分を鈍感だと思っている方は、大いに自信を持ちましょう。よかったですね。
声の大きい人を
令和元年5月27日
声の大きい人は、まず健康です。
なぜなら、私たちが生まれてきた時、最初に主張するのは声であるし、泣き声の大きい赤ちゃんは元気で丈夫だといわれているからです。風邪を引いたり、病気になったりすると、声が小さくなっていることがわかりますでしょうか。また、人が亡くなる時とは、声が出なくなった時であることがわかりますでしょうか。
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友とするに悪き者
令和元年5月8日
吉田兼好の『徒然草』は、私の長年の愛読書です。もし一冊の本を持って無人島に行くとしたら、私はたぶん『徒然草』を選ぶことでしょう。『論語』にも劣らぬ人生の智恵が、いたるところに見い出せるからです。
私が残念に思うのは、これが大学受験の古文として出題されることです。強制的に詰め込み式で勉強をさせられた高校生は、もう二度とこんな本を手にしません。でも、やがて歳月を経てこの本を読めば、いかに〝人生の極意〟に満ちたものであるかがわかるはずです。どなたでしたか「ヘタな人生論より『徒然草』」と言っていたのも、なるほどと思うのです。
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