納豆バンザイ!
令和元年11月11日
私は栃木県の農村で育ったせいか、食卓に納豆を欠かすことはありません。年齢のわりには若く見られますが、その秘密は毎日、納豆を食べているからです。
健康によいといわれる食品の中で、どれか一つを選ぶとすれば、「それは納豆です」と多くの医師や管理栄養士が語っています。同じ大豆発酵の食品でも、味噌の塩分を気にする方は多いはずです。完璧な栄養源といわれる卵も、コレステロールに賛否があります。DHAやEPAを多く含んだ青魚も、海の汚染物質を心配する方がいます。ヨーグルトの乳酸菌が腸内環境を整えるといっても、体質に合わない方がいます。トマトのリコピンには抜群の抗酸化力がありますが、体を冷やす欠点があります。つまり、世界中の食品を見渡しても、ただ一つ文句をいわれないのが納豆なのです。
納豆には若返りの成分であるポリアミンが多く、免疫細胞がよみがえり、動脈硬化を予防し、長寿をもたらします。そのほか、ビタミンB₂が多いにもかかわらず、脂肪やコレステロールを気にする必要がありません。また、粘り成分のナットウキナーゼは血栓さえ溶かします。血栓は就寝中に発生しやすいので、納豆は夕食に食べるとよいでしょう。
かつて、関西の方はほとんど納豆を食べませんでした。私が二十代で京都の醍醐寺に入った頃、食事作法で『般若心経』を唱えていると、関東僧侶のもとに納豆が回って来たものです。作法が終ると、私の前には四つも五つも納豆が並んでいました(笑)。でも今は、関西でも若い方は納豆を食べますし、ホテルのバイキングにも納豆が置かれています。
皆様、ぜひ納豆を見直してください。あらゆる食品の中で、最も理想的な逸品が納豆なのです。「納豆バンザイ!」です。
世界三大美人
令和元年11月6日
一昨日は現代女性のダイエット志向に、苦言を呈しました。その続きをお話します。
世界三大美人とされる、クレオパトラ・楊貴妃・小野小町を比較してみましょう。もちろん、古い歴史上の方ばかりですから、伝承される画像を絶対的に信用することはできません。しかし、まったくの根拠もなく伝えられたとも思えません。
クレオパトラは多くはかなり細身で描かれています。ナイルの泥で体を洗って、ダイエット効果があったのでしょうか。しかし、伝えられる楊貴妃と小野小町は、どうやら小太りです。私が若い頃に師事した書道の先生は、中国の歴史にかなり精通していましたが、「楊貴妃は小太りな女性だった」と、よく語っていました。
また、私は小野小町の歌仙(肖像画と詠んだ歌を書いた色紙)を三点ほど所持していますが、みな下ぶくれで小太りです。昔の男性が好んだ理想の女性は、少なくとも現代とはかなり違っていたように思います。現代女性は極端に痩せたモデルさんあたりを、理想の体形としているような気がします。
ついでにお話しますが、この世で最も美しいとされるミロのビーナスも、やや太めです。また、ビーナスによく似ているとされて話題になったイスクラ・ローレンスさんというモデルも、一般モデルの概念を破って、やや太めです。ウエストの幅を1とすると、肩幅は1・6、バストトップの距離が0・8、ヒップは1・4だそうで、女性下着メーカーはこぞってこの比率を研究しました。
自分は太っているとお思いの女性は、多いに自信をもってください。太めで健康な女性を好む男性は必ずいます。またビーナスも、楊貴妃も小野小町も小太りであったと覚えておきましょう。今日は仏教とは何の関係もなく終ります(笑)。
何でそんなに痩せたいんですか!
令和元年11月4日
綾小路きみまろさんが〈爆笑ライブ〉で言っています。「何でそんなに痩せたいんですか!」と、ね。
現代人の、特に女性のダイエット志向はあまりにも異常です。男性の私が見ても美しいスタイルの女性が、みな「痩せたい!」と言います。結婚している女性なら、なおさらです。妊娠中に無理なダイエットをしたために、出産した赤ちゃんの体重が足りない傾向にあります。2500g以下が多いようでは、困ったものです。
朝食をぬき、昼食はサラダだけと続ければ、ストレスのたまった夕食でドカ食いするのは当りまえです。体は何とかしてカロリーを維持しますから、太るのも、また当りまえです。それに、現代はカロリーばかりが多く、栄養失調をもたらす食事があまりに多過ぎます。
糖質制限にも問題があります。糖尿病患者さんのために考案された食事が、ダイエットに適応するはずがありません。また、縄文時代の狩猟生活で、肉や魚ばかりを食べていたとも思えません。特に日本人は、ご飯を食べてこそおいしいと思い、健康を維持してきたはずです。
私は以前、糖質制限をしたらどうなるかを、自分の体で実験したことがあります。たしかに脂肪が落ちて痩せました。同時に、筋肉まで落ちて力が入りませんでした。それは、ご祈祷で太鼓を打った時に感じました。いつものような、迫力ある轟音が出ないのです。自分にはご飯が必要なのだと、その時に気づきました。糖質制限をしていても、ほどほどのご飯は食べるべきです。
太っていても、魅力ある女性はたくさんいます。健康で生き生きと生活できる体形を維持してください。そして、丈夫な赤ちゃんが産める食事を心がけてください。
標準体重で健康度がわかるのか
令和元年11月3日
私は標準体重を信用しません。
なぜなら、筋トレをしたスポーツ選手などは、確実に肥満になってしまうからです。特に猛稽古とちゃんこ料理で作り上げたお相撲さんの筋肉まで、すべて肥満になってしまいます。また標準体重で肥満の人は、糖尿病や動脈硬化が発病するという説も、あまりに飛躍しています。人にはそれぞれの体質があるのですから、痩せている人もいれば太っている人もいるのは当然のことです。
一般に聞かされる【身長-100×0・9】、あるいはBMIの【体重×身長の2乗】では、内臓脂肪や皮下脂肪は検出できません。また脳の萎縮度や骨密度、また血管の弾力性も検出できません。
アメリカの医師・オスラ―博士の「人は血管とともに老いる」は名言中の名言です。健康度は内臓脂肪や皮下脂肪を含め、脳年齢・骨年齢・血管年齢等を総合的に判断すべきだと思います。健康診断での血液検査や内臓検査に加えて、こうした健康度が気軽に測定できることを望んでいます。
ところで、仏像や仏画を見ればわかりますが、ほとんどの仏さまが〝肥満〟です。インドの神さまも同じです。私の従兄弟に仏像を彫っているいわゆる仏師がいますが、彼はよく「仏さまは肉体労働者だ」と語っていました。
つまり、それほどに筋肉が発達しているということなのでしょう。これは痩せることばかりが力説される現代とは違った、何かがあるはずです。ダイエット流行の真っただ中にあっても、考えるべきことです。
笑顔の効能
令和元年9月21日
昨日、日本女子バレーボール選手の笑顔についてお話をしました。その時、パソコンを打ちながら、同時に浮かんで来たことがありました。
それは、私がいろいろなご相談を寄せられた時、何を基準にその方の見通しを立てるかというと、その方にどれだけの笑顔があるかということなのです。バレーボール選手のことを考えながら、まったく別のことを考えている自分を、妙な気分で見ていたものでした。
たとえば初対面で出会った時でも、「この人は大丈夫!」と思えるのは、私の言うことによくうなずき、笑顔で向かい合える方なのです。逆に「この人は困ったな」と思うのは、何を言ってもうなずくこともなく、まったく笑顔のない人なのです。もっとも、このような方はご縁が続くこともなく、たいていは一度きりで終わります。
だから、笑顔を絶やさぬ方に出会うと、私もまたホッとします。「笑う門には福来る」や「笑いは百薬の長」とは、経験的な智恵で伝えられたのでしょう。しかし、最近では科学的な研究が進み、笑う前と後でのデータ分析が進みました。
一つの例として、がん細胞を破壊するとされるNK細胞と笑いとの関係があります。笑う前と後の血液を分析すると、笑った後では、明らかにNK細胞が増えているのです。また、関節リュウマチ患者の痛みと笑いの関係においても、大いに笑った後では、確実にリウマチ指標の数値が減少しています。
うれしいことではありませんか。笑顔は気力を呼び戻し、病を癒し、開運へと導くのです。しかも、時間もかからず、お金もいらず、場所も問わずに人生を変えるのです。私たちも笑顔の効能を忘れず、声を出して大いに笑いましょう。
オシッコとお通じ
令和元年8月28日
今や。サプリメントはあふれるばかりです。私はあまりテレビを見ませんが、チャンネルを回せばショップ番組のオンパレードです。皆様も、ついつい買ってしまうのではないでしょうか。「番組終了30分以内にお申込の方にかぎり・・・」と言われれば、多くの方が電話をするはずです。
サプリメントに関しては、賛成と反対が極端に分かれます。「栄養はバランスのとれた食事から摂るべきで、成分ばかりを抽出しても本当の栄養にはならない」と言うのが、反対派の意見です。「栄養のバランスなど、忙しい毎日の生活で摂れるわけがない。特に外食の多い人などは、サプリメントを上手に利用した方がよい」と言うのが賛成派の意見です。私はどちらとも言いかねますが、これだけサプリメントがあふれれば、多くの方が利用するのは当然でしょう。
ところで皆様は、いいものを口にしていれば健康になれる、と、そう思うでしょうか。もちろん、それも大切ではありますが、実はもっと大切なことがあるのです。それは、いいものを口にする前に、悪いものを出すことなのです。つまり、しっかりとしたオシッコとお通じが大切だということです。
つまり、人間の体はもちろん、環境も生活も、仕事も趣味も、まずは悪いものを排除して、次にいいものを取り入れることが大切なのです。何ごともこの手順を間違えると、決してうまくは行きません。真言密教で本尊を迎えるにも、まずは悪いものを排除して、それから清らかな座所を設けるのが修法の手順です。
そこで、しっかりしたオシッコをするためには、腎臓がその要です。腎臓が悪くてはしっかりしたオシッコを作れないばかりか、肝臓も悪くなり、疲れやすくなります。〈肝心要〉は〈肝腎要〉と書く方が正しいのです。健康診断では、肝臓と共に腎臓に配慮していただきたいと思います。
お通じはご存知のとおり、腸内フローラで決まります。善玉菌を増やして、腸内をお花畑のようなフローラ環境を作ってください。私は「調子がいいとは、腸の調子がいいことです」とお話をしています。スムースなお通じができるよう、いろいろな工夫をしてください。
悪いものを出すことの大切さをお話しましたが、腎臓の強化や腸内フローラについては、とっておきの方法があります。私のもとにお越しくだされば、ソッとお教えします。はばかりながらお話しますが、私はお通じでさえ一分以内でスルスルと出ます。駅のトイレであんなに行列ができるのは、現代人の腸内環境がいかに悪いかの証拠です。
皆様、悪いものを出して、それからいいものを口にしてください。これ、健康への極意です。
プロはきびしい
令和元年8月3日
私はかつて、荒行によって声帯を壊しましたが、手術のおかげでかなり回復しました。しかし、長時間の読経や講演をすると、声が枯れやすいことは否めません。だから、喉のことは常に気づかっています。
まず、冷たいものを飲むといけません。タンがからんだり、声がれがおこりやすくなります。もちろん風邪に対しても、かなり注意しています。緑茶や紅茶でうがいをしたり、ショウガを買い込んでは味噌汁や豆腐に加えています。それから、液体プロポリスを身近に置き、紙コップで薄めてから喉を通過させています。刺激があり、決しておいしいものではありませんが、炎症をやわらげてくれるようには思います。ただし、うがい薬を常用してはいません。常用すると抵抗力がなくなり、本当に風邪を引いた時には役立たないように聞いているからです。
私の〝努力〟はこんな程度ですが、ある日の夕刊で歌手・由紀さおりさんの私生活を読み、大変なショックを受けたことがありました。
彼女には3人の声帯医師がいるそうで、まず毎朝、自宅近くの大学病院で薬を塗っているそうです。そして、3ヶ月に一度は別の医師に異常がないかの精密検査を受け、過労が続くとさらに別の医師のもとに駆けつけるというのです。そして、喉を冷やす飲み物は避け、就寝の折にはガーゼをくるんで喉を温めるのだというのです。
彼女は今や世界中のファンを魅了し、休む間もなく国内ファンをも熱中させています。満場の客席から送られる拍手の裏には、こんな努力があったのかと思い知らされたものでした。僧侶は声を出すのが仕事なのに、自分はいったい何をしているのだろうかと、慙愧に堪えませんでした。プロは何ごとによらず、きびしいものです。
脳が強化される十ヶ条
令和元年8月2日
私が心がけている〈脳が強化される十ヶ条〉をお話しましょう。
ただし、青魚の油(DHA・EPA)やイチョウの葉・レシチンと言ったサプリメントには、ここでは触れません。これらは個人の判断で決めてください。私がお話したいのは、あくまで日頃の心がけです。そして脳の強化は、日頃の心がけしだいであることを知っていただきたいためです。アルツハイマーにならないためにも、ぜひお役立てください。
①ときめきや感動が高まると脳が教化されます。
脳はドーパミン(快楽ホルモン)やセントニン(幸せホルモン)を分泌するほど若返ります。
②知的好奇心が旺盛になると脳が強化されます。
一生勉強のつもりで読書や知識の習得に意欲を持つ人は、いつまでも健康な脳を保てます。
③笑いや楽しさにつつまれると脳が教化されます。
くよくよせずによく笑い、友人とも動物とも植物とも楽しめる人は、大方が長命です。
④音楽や美術に接すると脳が教化されます。
名曲や歌謡曲、絵画や陶芸、好きな音楽や美術に接すると、耳や眼を通して脳が喜びます。
⑤カラオケや読経で大きな声を出すと脳が教化されます。
歌でもお経でも、詩吟でもスポーツの声援でも、声こそは元気のバロメーターなのです。
⑥大股で早歩きをすると脳が強化されます。
脳はよく歩くと、それも大股で早く歩くと鍛えられ、思考の回転までも速くなります。
⑦指先をマメに使うと脳が強化されます。
楽器を奏で、筆で絵や書に親しみ、ペンで手紙を書くうちに、指先と脳が連結して活性化します。
⑧数字やゲームに親しむと脳が強化されます。
脳トレの本をいくつか選び、身近に置いて楽しむと、使っていない脳が動き出します。
⑨料理を作りよく噛んで食べると脳が強化されます。
料理は脳の体操そのものですし、よく噛んで食べれば、歯の動きによって脳が刺激されます。
⑩おしゃれや化粧を楽しむと脳が強化されます。
見た目の大切さを知って自分を飾ると、気持ちが変わり、世の中が変わり、脳が変わります。
景観とインスピレーション
令和元年7月28日
あさか大師から歩いて10分ほとのところに田島公園があり、ウォーキングの途中で立ち寄っています。移転して半年ほどは、こんな近くにこんな素敵な公園があることも知りませんでしたが、緑豊かで近在の方々の憩いの場所になっています。隣りは新河岸川の土手になっており、さえぎるものもないので、のんびりと景観を楽しむことができるのです(写真)。
特にご自宅が狭い方には、お子様を遊ばせる絶好の条件がそろっています。お子様はやはり、元気に走らせ、大きな声で遊ばせるのが一番です。
いや、お子様ばかりではなく、こういう場所があると、自然に今日も歩こうという気分になります。また、この緑を眺めながら軽い運動ををすると、格別な気分になるものです。そして、そんな時こそは、思いがけないインスピレーションがはたらき、驚くようなアイデアが浮かぶものなのです。
私の九星気学の師匠でもあった故・高島正龍は、伊豆の修善寺温泉が好きな方でした。この分野では特異な著作を残しましたが、その多くは修善寺で思いついたと、生前に話しておりました。ここへ行けば何かが得られるという場所を持つことは、人生の財産ともいえましょう。
皆様のお近くにも、意外な景観があるかも知れません。また、忙中の閑として、ちょっとの時間を過ごせる場所を探してみてください。それだけでも、一日が豊かになるものです。しかも、無料で楽しめるのですよ。
続・水平足踏み
令和元年7月20日
昨日は健康法として〈水平足踏み〉を紹介しましたが、今日はその補足です。
皆様はいろいろな健康法を試みたことでしょうが、ほとんど長続きはしなかったはずです。それは決して根気がなかったからではなく、工夫が足らなかったからだと私は断言します。ものごとはささいな工夫によって、その成否が決まるからです。
そこで水平足踏みに興味をもっていただいた方のために、とっておきの方法をご紹介しましょう。
それは、行なう時間を決めておくことに加えて、砂時計を用いることなのです。ネットですぐに買えますので、オシャレな三分間砂時計を一つ用意してください。それをリビングやキッチンの目につく場所に置いて、一日一度は必ずヤルぞ(!)と決めてください。そして、まずは回数は無視して、三分間を試みてください。テレビやカレンダーを見ているうちに、アッという間です。しかも、日ごとにその三分間が短く感じられるはずです。そして、これなら必ず続くのです。
私の場合は、起床してトイレに行った後、歯磨きをしてからキッチンで行っています。キッチンなら自分の姿が映り、太ももや両腕が水平に上がっているか確認できるのでちょうどよいのです。たいていはその日の予定や段取りを考えているうちに、三分が過ぎてしまいます。夕方は料理をしながら行います。鍋の湯が沸くまで、三分など充分に作れる時間です。
習慣こそは〝第二の才能〟なのです。そして、その習慣はささいな工夫から生まれるのです。習慣が成果を生み、その成果が人生の財産となるのです。僧侶は毎日、習慣としての読経をするから長い経典を記憶できるのです。また習慣としての挨拶も清掃も、日常の作法も、すべて同じです。人生の成否は、「習慣にかかっている」と言っても過言ではありません。
小さな砂時計は、今や私の大切な財産です。私の葬儀の折には、棺の中に入れていただきたいほどです。冗談だと思いますか、皆様。