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仏教
令和元年9月29日
トイレそうじには大きな功徳があります。トイレは人が生活するうえで、もっとも不浄とされる場所だからです。しかし、人はトイレなくして生活することはできません。だから、トイレそうじには功徳に満ちあふれているのです。
社長さん自らがトイレそうじを実践し、それによって業績を伸ばした企業がたくさんあります。また、昔からトイレそうじをすると、シモの病気にならないとか、安産ができると伝えられています。その理由はもちろん、トイレの神さまに好かれるからです。トイレの神さまから、ご褒美をいただけるからです。
京都の山科に、明治37年、西田天香(通称・天香さん)によって発願された〈一灯圓〉があります。ここは懺悔の心で、トイレ等の清掃奉仕をすすめる団体です。天香さんは今なお多くの方々に慕われていますが、その中のひとりに㈱ダスキンの創業者・鈴木清一氏(昭和55年死去)がいます。
鈴木氏は天香さんを深く敬愛し、〈世の中のためにある会社〉を目ざしました。社員を「働きさん」と呼び、新人研修では家々を回り、飛び込みでトイレそうじをしています。新入社員ばかりではなく、今なお社長も役員も、率先して出かけています。そもそも「ダスキン」とは、ダスト(ほこり)と雑巾を二で割った呼称だそうで、社名にもその精神が受けつがれています。同社はミスタードーナツとも提携し、フランチャイズ事業を展開しましたが、創業者の根本精神を忘れずに発展してほしいものです。
自分が汚れても何かをキレイにすることは、仏教そのものの訓戒です。日本にこうした企業がたくさんあることは、とてもうれしいことです。