令和4年6月26日
1903年(明治36年)、ドイツで行われた「世界国歌コンクール」において、日本国家の「君が代」がきびしい審査を経て一等に選ばれました。
その評価として残っている資料には、「荘重にして民族性を遺憾なく発揮した優美なもの」とあります。また、あまり外国のものをほめないイギリス人が、「天上の音楽」と讃えた記載もあります。当時はベルリンで、世界的な音楽家や音楽評論家たちがいろいろな国歌を比較検討する開催があったそうで、その結果が衆口一致で折り紙がついたようです。
こうした評価は、各国の国歌を和訳すれば、ハッキリとわかります。つまり、ほとんどの国の国歌が〝戦争の歌〟であるからです。代表的なものを見てください。
①アメリカ国歌「星条旗」
おお、われらの星条旗よ。夜明けの空、たそがれの霧の中で、ほこりに満ちてきらめく。その太い縞と輝く星は、弾丸が飛び交う戦いの庭に、夜通し堂々と翻っている。おお、われらの星条旗があるところ、自由と勇気とともにあり。
②フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」
いざ祖国の子らよ、栄光の日がやって来た。暴君の血に染まった旗が翻る。戦場に響く残酷な兵士の怒号、我らの妻や子の命を奪わんと迫り来た。武器を取るのだ、わが民たちよ! 隊列を整えよ! 進め! 進め! 敵の不浄の血で土地を染めあげよ!
③中国国歌「義勇行進曲」
いざ立ち上がれ、奴隷になることを望まぬ人々よ、我らの血と肉をもって、我らの新しき長城を築かん。中華民族に迫り来る最大の危機、皆で危急の雄たけびをなさん。
もはや、説明もいりません。オリンピックで日本人選手が金メダルに輝いた時、表彰式で吹奏される「君が代」に独特の重みと品格を感じるのは、誰しものことです。「君が代」こそは、世界中の人々の幸せと平和を願った日本文化の英知なのです。このことを、私たちは日本の未来を背負う子供たちに伝える責務があります。そうすれば子供たちはきっと、日本に生れたことを、そして日本人であることを、生涯の誇りに思うことでしょう。