名月の癒し
令和5年9月29日
月面の温度は昼が110度、夜は-170度で、その寒暖差は280度です。生物が生息できる環境ではありません。
それでも私たち日本人は、うさぎがお餅をつき、かぐや姫の故郷であることを口にしても、何の違和感もありません。忙しい現代人でも、それは同じです。仕事に疲れた夕暮れ時に、また夜の静寂にふと月を見る時、私たちはどれほど癒されることでしょうか。ホッとするひと時とは、まさにその瞬間なのです。
今宵は旧暦8月15日で、中秋名月です。あいにく雲が多く、残念ではありますが、ほんの一瞬その美しい姿を見せてくれました(写真)。
昨夜が〈待宵〉、明日が〈十六夜〉、そして来月27日(旧暦9月13日)が〈十三夜〉です。何と美しい日本語でしょうか。月まで行ける時代だからこそ、昔のように月を想い、月を偲びましょう。その時、あなた様の人生がとても豊かで幸せなものになりますよ。
まさに地球沸騰化!
令和5年9月27日
ヨーロッパ連合の気象情報機関によれば、今年7月の平均気温は観測史上最も高くなったと発表し、12万年ぶりの暑さとの報道もありました。また国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と発表しました。
海水の温度が上がってエルニーニョ現象が発生し、世界のいたるところで台風・豪雨・ハリケーンなどの異常気象を引き起こしています。世界中の人々が、この異常気象に危機感をいだいていることは申すまでもありません。地球はもはや、未曽有の異変に直面していることは誰の目にも明らかです。
私が特に危機感をいだいたことは、秋のお彼岸に至っても、境内となりのヒガンバナがわずかな開花であったことでした。前回のブログで秋彼岸法要のことを書きましたが、例年なら真っ赤に埋め尽くされるはずなのです。お彼岸の明けた今日はやっと咲き出しましたが、それでも例年に比べればまだまだ足りません(写真)。各地の群生地でも同じだと思います。まさに地球沸騰化の証明でありましょう。
このような現象は、人間側に原因があるはずです。いま必要なことは、私たち一人一人が謙虚に反省し、何ができるかを考え、行動に移していく以外にはありません。大気中の温室効果ガスを少しでも減らす努力を決意しましょう。そして、秋のお彼岸に日本の野山が、再びヒガンバナに彩られる日を実現したいものです。春のお彼岸にはモクレンが、お盆にはハスが、そして秋のお彼岸にはヒガンバナが咲く、日本は仏の国なのだと、私はいつも思っています。
「秋分の日」の本当の意味
令和5年9月24日
昨日は「秋分の日」で、国民の休日でした。関東地方は朝の内は小雨が降りましたが、日中は曇り空で多くの国民はレジャーに出向いたと思います。しかし、秋分の日の本当の意味は、仏教の教えにあります。つまり、昼と夜の長さが同じこの日を仏教の〈中道〉になぞらえ、彼岸(やすらぎの世界)に向かうことを実行する意味であるからです。レジャーばかりに浮かれてはいけない中道の教えが、国民の休日にまで生かされているのです。
私が幼少の頃はこの日、国民のみんなが墓参をして秋の空に香煙を漂わせていたものでした。そして、先祖の方々に感謝の回向を捧げました。国民は当然のこととして、それを実行していました。今日の日本の繫栄が、こうした国民の心得とまったく無関係であるはずがありません。
あさか大師ではこの心得を守り、秋彼岸法要を挙行しました。そして、多くの方々が堂内に集まり、僧侶と共に読経し、先祖供養に励みました(写真)。
しかも、あさか大師の先祖供養は単なる回向ではありません。皆さん、この世とあの世は一つであるという理念のもと、「人生を変える先祖供養」としてこの法要に参集しています。この世を〈現世〉といい、〈うつし世〉ともいいますが、フィルムのあの世がスクリーンにうつし出されてこの世となります。あの世があってのこの世であり、あの世の幸せがこの世の幸せとなるのです。だから、先祖供養は人生を変えるのです。
ブログでこのお話を書くと、多くの皆さんから連絡が来ますが、参加を希望される方はホームページの「お問い合わせ」からご送信ください。供養料は一ケ月2000円ですが、制約は一切ありません。檀家制度もありません。入会退会も自由です。ご連絡を歓迎いたします。
人は「動かせる」ものか
令和5年9月22日
本棚を整理しましたら、D・カ-ネギー著の『人を動かす』(創元社)が出て来ました。著者は二十世紀のアメリカにおける人間関係研究の先駆者で、同著は世界的なベストセラーとなりました。私も若い頃に赤線を引いて何度も読んだ、なつかしい本です(写真)。
どんなことが書いてあるのかを簡単にお話しますと、第一部は「人を動かす三原則」、第二部は「人に好かれる六原則」、第三部が「人を説得する十二原則」、そして第四部が「人を変える九原則」です。たとえば、第二部においては「議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける」に始まり、「誤りを指摘しない」「こころよく認める」「おだやかに話す」「相手にしゃべらせる」「相手に思いつかせる」「対抗意識を刺激する」などといった項目を並べて解説しています。
たしかに、議論に勝ったからといって、相手の感情を傷つけるばかりですし、相手の意見をさえぎる人は好かれません。また人を叱ったり、注意を与えるといいながら、ほとんどは腹を立てて怒っているに過ぎません。こうした対人関係の悩みに対して、この本は確かに大きなヒントを与えてくれます。
ただ、私の意見を一つだけお話しますと、人は「動かせる」ものでしょうか。人は「動かす」ものではなく、「動いてもらう」という考え方のほうがよいように思います。人を手品のように操って動かすのではなく、自分から動いてもらえる関係を築くことが大切でしょう。そのためのノウハウは、この本の中にもたくさんあります。
動かしたかったら動いてもらいなさいという逆発想こそ仏教的でありますし、『般若心経』の教えでもあります。久しぶりに手にした本から、そんな感想が湧きました。皆さん、いかが。
さらなるパワーを引き出す
令和5年9月19日
このところ真言密教の〈法界力〉という用語を、何度か使いました。文字どおり法界の力、つまりお堂に遍満する力です。
しかし、〈法界〉とはもちろん、お堂の中にかぎりません。極論をお話しするなら、宇宙のすべてが法界です。だから、その範囲や距離に関係なく法界力は発揮されます。ただ、その中心となる発信地が必要です。それがお寺であり、お導師が修法するお堂ということになりましょう。
あさか大師では開山前のネパール密教のお護摩、毎日の11時半のお護摩や先祖供養の光明真言法、そのほか修行僧や参拝者の読経や真言、そして全国のご信徒の皆さんの祈りが融合して法界力が遍満しています。だから、お護摩の祈りが熱祷となって発揮されるのです(写真)。
法界力は皆さんの祈りの結集です。この毎日の積み重ねがさらなるパワーを呼びます。皆さんの一人一人の祈りが、たとえ世間のほんの片隅にあろうとも、それが融合すれば強大なパワーとなることを忘れてはなりません。
私の祈りを発信地として、皆さんの祈りを融合させましょう。一巻の読経、一回の真言も、法界力の中にあるのです。そして、さらなるパワーを引き出すのです。
金運宝珠護摩の霊験
令和5年9月18日
昨日、金運宝珠護摩を奉修し、大勢の方が参拝されました。このブログを読んでお越しになった初めての方も多く、力強いお護摩の炎に感激されたようです(写真)。
霊験をいただいた方は、さっそく報告をしてくださり、それを聞いた方がまた霊験をいただきます。ありがたいお話は一人じめするのではなく、その功徳を分け与えることが大切です。その言葉の力が堂内に残り、さらに多くの皆さんが功徳をいただけるからです。これを〈法界力〉といい、つまり遍満するパワーを意味します。
お渡しした〈金運銭〉は、お大師さまからお預かりした如意宝珠だと説明しました。中に五円玉が入っていますが、この五円玉に功徳が込められ、新たな功徳を生み出すからです。お財布の中に入れて持ち歩き、来月にお返しください。そして、新たな〈金運銭〉をいただいてください。
そして、世の中に善いことをして功徳の種をまき、芽を育て、大きな実りを得てください。〈運〉とは功徳の実りであると、私はお話をしています。
金運銭を差し上げます
令和5年9月16日
明日は第三日曜日で、あさか大師では11時半より、金運宝珠護摩が奉修されます。皆さん、お待ちかねの〈金運銭〉も差し上げます(写真)。一ケ月間お財布に入れて金運を高め、来月の第三日曜日に御礼金を入れて返却してください。
この宝珠護摩の人気は予想以上で、驚くような報告が届いています。どうやら、「どこからともなく入ってきます」というのが、一番多い報告でしょうか。友人に貸していたお金が急に戻って来た、という報告もよく聞きます。中には直接のお金ではなくとも、お祭りの抽選でいきなり特賞の大型テレビが当たった方もいました。
大切なことをお話しますと、「金運が授かりますように」という祈りでは不充分だということです。そこには「私には金運がありませんので・・・」という意識が働くからです。では、どうするのか。それには「金運の神さまに好かれますように」と祈ることです。なぜなら、金運の神さまに好かれるなら、金運が高まるのが当然だからです。
もちろん、金運の神さまに好かれるためには、好かれるような生き方をしなければなりません。さて、どうすれば好かれるような生き方になるのか、それは明日、私が直接お話しましょう。いつもお話していることで、特別なことではありません。これも、しごく当然のことです。でも、とても大切なことです。
そして、こういうお話は何度でも聞くことが大切です。何度も何度も聞いているうちに、皆さんも金運の神さまに好かれるようになるからです。明日は、それを楽しみにお越しください。
弘法大師ご誓願の秘密
令和5年9月15日
あさか大師ではこのたび、弘法大師(お大師さま)のご誓願である不動愛染両明王像(お不動さまと愛染さまのご尊像)を安置しました(写真)。私にとっても長い間の悲願でありましたが、5年目にしてその悲願が叶ったわけです。これであさか大師の霊験がますます広まることを信じて疑いません
では弘法大師のご誓願とは、いったい何でありましょうか。お大師さまは十八歳で奈良の大学に入りましたが、やがて中退して修験者となりました。そこで虚空蔵菩薩の真言を百万遍お唱えする荒行に挑み、ついに悟りの神秘体験を得ました。それはこの自然界と自分が、本来は一体であるという境地に到達したからです。
そして、自然界は胎蔵界と金剛界の陰陽が融合した如意宝珠であることも体得し、この世の道理を達観しました。真言密教の奥義は、実はこの如意宝珠にあります。私がお大師さまや金運宝珠のお護摩を奉修して、不思議な霊験がたくさん寄せられるのは、この如意宝珠のお力によるからです。
その胎蔵界を象徴するのがお大師さま左手の念珠(お不動さま左手の縄)であり、金剛界を象徴するのが右手の五鈷杵(愛染さま右手の五鈷杵)であります(写真)。またご自身の頭の形をして如意宝珠と意味づけました(頭の先端が尖っています。詳しくは私の『弘法大師御影の秘密』を参照)。
つまり、お大師さまはご自身が胎蔵界と金剛界が融合した如意宝珠であることを達観し、ご自身に縁ある者にかぎりない福徳を与えようというご誓願を、不動愛染両明王によって示しました。これが弘法大師ご誓願の秘密です。両明王の開眼法要は11月19日(日)午前11時半の〈金運宝珠護摩〉によって奉修されます。多くの皆様が、この勝縁に浴されますことを祈ってやみません。
鳥肌が立つ音色
令和5年9月13日
「鳥肌が立ちました!」と、よく言われます。
驚いたのでしょう。それは、あさか大師のお護摩に参拝して、はじめて法螺貝の音色を聞いた方々から聞く感想です(写真)。皆さん、太鼓はともかく、法螺貝の音色を聞くことはまずありません。司馬遼太郎さんは小説の中でこれを、「勁烈な」音色と表現しました。
法螺貝を吹くのは、お釈迦さまの説法が遠くまで響き聞こえた故事に由来しています。つまり、仏さまの説法を意味します。この音色を聞いて驚くように、お釈迦さまの説法を聞いた当時の皆さんもまた驚き、感動し、罪を滅したに違いありません。私自身もお護摩の始めに法螺貝を吹くと、まるで煩悩の眠りから覚めたような、そんな感覚を味わいます。
ところで、「鳥肌が立つ」と書きましたが、本来は寒さに震えたり、恐怖や嫌悪感で体毛が立ち上がるほどの生理現象を指したのです。ところが近年では、いい意味での感動を表現するようになりました。おそらく、言葉にうるさい学者さんなどは、眉をしかめていることでしょう。テレビのスポーツ解説などでよく使われますが、私もはじめは違和感を持ったものでした。むしろ、その違和感から鳥肌が立ったかも知れません(笑)。
それでも、今やこの表現もすでに市民権を得たように思います。このブログを読んだ皆さんも、鳥肌が立つ感動を味わってみてください。あさか大師のお護摩は、毎日11時半からです。勁烈ですよ。
法界力を引き出すには
令和5年9月9日
あさか大師は平成30年(2018年)に11月25日に開創されました。実はその年の8月1日、さら地にテントを張り、ネパール密教の最高阿闍梨によってお護摩が奉修されました(写真)。すでに本堂の線引きは済んでおりましたので、護摩壇建立のその場所で奉修していただきました。真夏の炎天下のもと、7時間にも及んだことを覚えています。本格的なネパール密教のお護摩は日本の歴史が始まって以来のことで、私はその勝縁を大変に喜び、お大師さまへの報恩を新たにしたのでありました。
今日、あさか大師のお護摩は力が強いと評判ですが、その影にはこうした功徳が及んでいることも忘れてはならないと思っています。また開創以来、毎日お護摩を修しています。当日に出張やお葬式があれば、早朝や夜間に修しています。お護摩ではご信徒もいっしょに読経します。さらに、先祖供養のご回向も欠かしません。
こうした毎日の繰り返しが大切なところで、何かの記念行事や期間を設けての荒行だけでは、強力なパワーは出ません。その強力なパワーを「法界力」といいますが、法界力は本堂に一歩足を踏み入れただけでもわかるはずです。
皆さん、あさか大師にお参りすると気持ちが落ち着くとおっしゃいます。僧侶の方が火葬場に出向いて体が重くなっても、楽になるとおっしゃいます。私が何か特別なご祈祷をしたわけではありません。毎日の積み重ねが法界力を生み出すのです。まさに「継続は力なり」です。毎日の積み重ねですよ、皆さん。11時半のお護摩にお越しください。