気になる迷信③

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文化

令和4年8月1日

 

うわさをされるとくしゃみが出る。

兼好法師の『徒然草』に、くしゃみへのおまじないをする一節があります。つまり、昔の日本人はくしゃみを、奇妙な現象ととらえていたのでしょう。もちろん、直接には鼻に何らかの刺激が加わった生理的なものです。しかし、そうとばかりは決めかねる疑問が残るのもいなめません。

もう一つ、「うわさをすれば影」があります。私はこの理由は逆だと思っています。その人の影が近づいて来るから、つまり、第六感が気配を感じるから噂をするのです。そうすると、噂とくしゃみの関係も、まんざらでもなさそうです。解明はできませんが、どうもそんな気がします。

⑨トイレ掃除をすると美しい子供が生まれる。

これは迷信どころか、正真正銘の真実です。トイレは家庭生活における最も不浄な場所ですから、これを掃除することは〈トイレの神さま〉に好かれます。そして、大きな功徳になります。安産はもちろん、丈夫な美しい子供が生まれます。トイレを使うということは、不浄を処理していただく〝神聖な場所〟に入るという意味を知らねばなりません。妊婦さんがプールの中を歩くのは安産のためでしょうが、トイレ掃除は功徳となり、開運の秘訣ともなることをゼッタイに保障します。

⑩ミミズにおしっこをかけると男の子のアソコが痛くなる。

最後になりました。ミミズにおしっこをかけると、男の子のアソコが痛くなります。子供の頃、私は何度も経験しました。それというのも、農家の庭にはあちこちにミミズがいます。遊び半分でおしっこをかけると、たいていはアソコが痛くなりました。これは本当のことです。

私はこの理由が知りたくて、何人もの医師・中医師・薬剤師・治療師などに質問をしました。しかし、結局は何の結論も出ませんでした。ただ、一つヒントになるのは、ミミズを漢方では「地龍じりゅう」と呼び、霊的な動物と考えていることです。つまり、蛇体としての霊力がこもっているということなのです。ミミズにおしっこをかければ、何かがおこって当然でしょう。

思い出すのですが、農村の子供がヘビを殺したりいじめたりすると、よく高熱を出しました。ヘビのたたりは、決して作り話ではないのです。そして、ミミズもヘビも、ともに蛇体です。後年、私が僧侶になって霊符(蛇体の護符)を書くにあたり、ウナギ・アナゴ・ハモといった蛇体の禁食を命じられました。私はこればかりは、霊符行者として守り続けています。

地龍(ミミズ)は解熱剤として効能があります。また最近は、食用ミミズより抽出するルンブロキナーゼが血栓けっせんを溶かす救世主となり、脳梗塞・心筋梗塞・動脈硬化の平癒に威力を発揮しています。世紀の福音といっても過言ではありません。サプリメントとして販売されていますので、ぜひ検索を。『気になる迷信』を終わります。

山路天酬密教私塾

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