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平成31年4月1日
新元号が発表され、国中が騒然として一日が過ぎたようでございます。これまでの元号はみな中国の古典が典拠でありましたが、ここに至って『万葉集』(梅花の歌)からの選出は喜ばしいかぎりでございます。
さて、何かと能書きばかりが多いとお笑いでしょうが、大切なことでございますので、あえて本日の新元号発表にについて〝意見〟を申し上げましょう。
予定の午前11時30分を少し過ぎて、官房長官が姿を現しました。短い前置きの後に掲げた新元号の額書を見て、私は唖然としたのでございます。
あの額書はどなたかの書家による楷書体であります。楷書体であるなら、〈令〉の最終書を、次の写真①のようにはねるのはどのように考えても腑に落ちません。
楷書体の極則とさえ伝えられる中国の北魏(鄭道昭等)や唐代(三大家等)の古典を見ても、あのような表記は一つもございません。
次の写真②が現在の明朝体の表記でございます。
これを毛筆の楷書体にて揮毫した場合、一般には次の写真③のように表記いたします。
しかし、最近の活字世代は、次の写真④のように、最終画をタテ棒にして止めるはずでございます。
この表記なら古典にもございます。しかし、それでも写真①のように最終画をはねることはございません。皆様もどこかに違和感をお感じになりませんでしょうか。
はねる、はねないの問題ではございません。元号は陛下にも等しい時代の象徴なのでございます。文部科学省はこの事実を解明して、しっかりと国民に説明をしてほしいのでございます。
いやはや、新元号は大変な幕開けとなったものでございます。