夫婦に最も大切なこと

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夫婦

令和元年8月20日

 

今日は夫婦の問題で、ご相談がありました。

いつも思うのですが、夫婦はもともと〝アカの他人〟です。アカの他人がある時から共に暮らし始めて、何の問題も起こらぬはずがありません。だから、私は「夫婦は長い修行です」とお話をしています。長い時間をかけて、その間のさまざまな問題を乗り越えて、やっと〝本当の夫婦〟になれるのです。

イギリスの詩人で劇作家のオスカー・ワイルドに、こんな言葉があります。

「結婚して三日間は男も女も夢中である。三ヶ月間は互いに相手を観察する。そして三年間はやさしく愛し合う。しかし、後の三十年間はともどもに我慢がまんし合って生活するものである」

身に覚えのある方は、ハッと胸をつかれるはずです。ところが、彼は続いてこうも言っています。

「しかし、この後の三十年間、お互いにすっかり鼻についてから夫婦の本当の愛情が湧き出して来るものである」

つまり、本当に夫婦らしい夫婦になるには三十年かかるのです。ではその長い修行の中で、何が最も大切なのかといえば、私は挨拶あいさつを交わすことだと思っています。夫婦だから必要がないのではなく、夫婦だからこそ大切なのが挨拶であるからです。

よく、他人を評して「ろくに挨拶もしない」と批判する方がいますが、ではその方は奥様と挨拶を交わしているでしょうか。奥様のことを、「オイ!」と呼んではいないでしょうか。挨拶の〈挨〉は心を開くことです。〈拶〉は近づくことです。相手が先に挨拶をしたなら、では挨拶にはなりません。心を開いて、自分から相手に近づかねば挨拶にはなりません。朝の挨拶、帰りの挨拶、就寝の挨拶、と、これだけでも夫婦は変わります。そして、挨拶を交わしている夫婦は、まず大丈夫です。

皆様も、夫婦の間で挨拶を交わしてください。わかっていることだからといって挨拶をしないのは、お客様やお得意様に挨拶をしないのと同じなのです。挨拶は夫婦に最も大切なことです。

山路天酬密教私塾

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