男子厨房に入るべし

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家庭

令和2年4月28日

 

若い男性が結婚を望んでいる場合、私は「料理の上手な女性を選ぶことです」とお話をしています。その前提として、食べ物の好みが合うという条件も必要でしょうが、一生向い合って食事をするのです。料理の下手な女性(失礼!)と結婚したら、もはや生涯の不覚とあきらめねばなりません。そして料理の上手な女性なら、家事も子育ても上手であることは間違いありません。このことは、私が保証いたします。

また、もう少し年長の男性には、スポーツやカラオケもいいけれども、「料理を習うことです」とお話をしています。中年の方や定年以後の方であっても、それは同じです。その理由は、いわゆる〈老老介護ろうろうかいご〉がますます増加するからです。つまり、65歳以上の夫婦がいずれかを介護する場合、65歳以上の子供が親を介護する場合、介護する側が男性であった場合に食事の問題が必ず出ます。その食事をいったい、誰が作るのでしょうか。

毎日、コンビニの弁当というわけにもいきません。宅配の低カロリー惣菜そうざいでも飽きるでしょう。その時、目玉焼きひとつ作れないようでは困るのです。ところが驚くなかれ、世の男性にはリンゴの皮をむいたこともなければ、インスタントラーメンすら作ったことがないという奇妙な人種(!)がいます。妻が夫を介護する場合や、娘が親を介護する場合はまだよいのです。食事のすべてを妻に任せてきた夫には、この自覚がありません。

簡単な料理なら、ネットを開けばいくらでも出ています。書籍もたくさんあります。まず、ご飯の炊き方と味噌汁の作り方から始めて、ゆで方や焼き方も覚えましょう。介護にはおかゆの作り方も大切です。興味があるなら、料理教室へ通うのもよいでしょう。時代はまさに、「男子厨房ちゅうぼうに入るべし」と緊急事態宣言を発しているのです。

私はいま、外食はほとんどせず、料理はすべて自分で作っています。これが実におもしろく、また脳トレにもなるのですから、一石二鳥、いや一石三鳥です。買い物をしながら、本日の食材選定、作り方の手順、余った場合の保存、明日の料理との関連、調味料の在庫、食器やお酒との相性、食事中に聴く音楽など、脳は一気にフル回転です。

毎日、読経や真言を唱えて声を出し、印を結んで指先を刺激し、諸仏を観じて瞑想めいそうを楽しみ、こういて心をいやし、花をしてこれをで、読書も怠らず、原稿を推敲すいこうし、加えて料理を作っているのですから、ボケるひまなどありません。いかが?

山路天酬密教私塾

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