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仏教
令和元年10月21日
台風の被害処理が、まだまだ終わりません。
あさか大師も床下20センチが浸水し、御札や印刷物の一部が被害に遭いました。四分の一ほどが浸水しましたが、使えるものと使えなくなったものを仕分けしました。今はお護摩札を陰干しで乾燥させています(写真)。ニュースで放映される、あのような被害地に比べれば、まだまだ軽い方です。そして何よりも、お大師さまのご加護に感謝しています。
昨日は第三日曜日の行事で、お弟子さんやご信徒の方が集まり、いろいろとお手伝いいただきました。ありがたいことでした。この時期、祈祷寺院は早くも正月準備に入らねばなりません。やらねばならないことは多いのですが、被害処理をしながら多くのことを考えました。
私は平和な時代に生まれ、平和な時代の中で育ちましたので、これが初めて経験した災害です。埼玉県は津波も噴火も土砂崩れもなく、台風もさほどには通過しません。まず、災害の少ないところなのです。しかし、今回は異例としても、これからはわかりません。このクラスの台風がたびたび通過する可能性はありますし、これまで考えられなかった河川が氾濫する可能性もあります。それに、地震や火災への備えも怠れません。
いつも思うのですが、「平和で安心して暮らせる社会」など、あるはずがないのです。今回の台風で、その思いをいっそう確信しました。すべては〈無常〉なのです。永遠のものも、絶対のものもないのです。この世のすべては移り変わるからです。その覚悟をもって生きてこそ、イザという時に智恵が湧くのです。だから、〈諸行無常〉は前向きに生きるための智恵なのです。仏教が説く大切な真理です。