山路天酬法話ブログ

大師浄塩のパワー

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祈祷

令和5年6月11日

 

最近、あさか大師で人気を集めているのが〈大師浄塩だいしじょうえん〉です(下写真)。海水の天然塩をお護摩で入魂したものですが、私が毎日続けて修しているためか、不思議な霊験が続出しています。

特によく眠れない方、悪夢を見る方、妙な物音が聞こえる方、霊的な姿を見る方、その家(部屋)に移ってから体の調子が悪い方などに効力があります。使い方は簡単で、大師浄塩を小皿にもって部屋の片隅(気になる場所)や枕元に置くだけです(下写真)。たちまち部屋の空気が変わりますので、ご確認ください。もちろん、玄間やトイレ等に盛り塩をしても、お料理に使っても何ら問題はありません。

ちなみに、現代は減塩運動が盛んですが、天然塩は数百種類のミネラルを含んでおり、健康維持のためには必要なものです。つまり、科学的合成の〝食塩〟に問題があるということです。それは減塩運動が推進されながら、いっこうに高血圧が減らないことでもご理解いただけましょう。特に体温の低い方は、適度な天然塩が必要なことはいうまでもありません。

また、天然塩は水や火と同様に、パワーを込めやすい点にも特徴があります。この大師浄塩はお大師さま(厄除弘法大師)の尊前にお供えし、私がお護摩の炎によって強烈なパワーを込めたものです。大量生産はできません。数にも限りがありますが、特にこのブログを読んでくださっている皆様には、1袋500円でお分けいたします。

近在の方は午前11時半のお護摩にお越しください(要予約)。遠方の方はレターパックでお送りいたします(2袋1組で要送料。郵便振込み用紙を同封いたします)。いずれもホームページの「お問い合わせ」からお申し込みください。返信・発送が遅れる場合がありますので、ご了承ください。皆様のお役に立ちますことを願ってやみません。

6月の強運ランキング

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九星気学

令和5年6月9日

 

月初めの台風情報に気を取られ、「6月の強運ランキング」を書き忘れていました。遅くなりましたが、発表します。

6月は正確には、6月6日~7月6日までの1ケ月です。戊午つちのえうま四緑しろく中宮の月で、西北(五黄殺ごおうさつ)・東南(暗剣殺あんけんさつ)・北(月破げっぱ)が凶方です(写真)。〈つちのえ〉は本来は〈茂〉の意味で自然界の成長を表示し、〈うま〉は太陽の意味で陽気を表示し、〈四緑しろく〉は風の意味で、情報の勢いを表示します。情報に流されず、その管理を整える必要があります。ご自分の運勢はホームページ「今月の運勢」をご覧ください。

6月の強運ランキングは、一位が五黄ごおう土星、二位が三碧さんぺき木星、三位が六白ろっぱく金星です。

五黄の人は追い風に乗って、自分の本領を発揮しましょう。目先の利益にとらわれず、広い視野で身辺を見ることが大切です。持ち前のリーダーシップを生かすためにも、高慢を自戒し、謙虚に歩むことを心がけることです。誠実な人柄が認められれば、大きな成果を得るでしょう。

三碧の人は家庭や職場の和合をはかり、問題解決のチャンスを生かしましょう。口論や失言を自戒し、他人の話に耳を傾けることです。ただし、凶神(暗剣殺)が付くので、何ごとも慎重に行動することが大切です。再確認を忘れず、幸運に向かって勢いよく進みましょう。

六白の人は交流が広まり、新しい縁が開かれましょう。人脈は財産と知ることです。仕事にも趣味にも恵まれ、レジャーやグルメにもよい象意があります。ただ、散財も多いので、金銭管理には十分な注意が必要です。思いつきでの衝動買いは慎みましょう。

ちなみに、一白と九紫の人は準備月となります。計画を検討し、身辺の整理と補充を心がけることが大切です。〈成功〉とは成功するよう準備をした結果なのです。すべては段取りであり、根回しです。開運の時期に入って準備をしても、もはや間に合いません。これが開運と成功の秘訣です。

続続・運命改善への先祖供養

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運命

令和5年6月8日

 

重要なお話を続けましょう。あさか大師の先祖供養は父母の両家(既婚者は夫婦それぞれの両家)をおまつりします。そこで、五輪塔婆ごりんとうばの供養紙を月ごとにお祀りしていただいています(下写真)。右が表面(たい蔵界ぞうかい)で父母の両家(既婚者は四家)と志主名・月度を書き入れ、左が裏面(金剛界こんごうかい)で光明真言が書かれています。

表面を拡大してみましょう(下写真)。〈先祖代々・先亡せんぼう・水子〉と三行に書かれています。

ここが大切なところで、〈先祖代々〉は血のつながった皆様の直系です。つまり直接の血縁です。特に祖父母・祖々父母の生き方が皆様の人生に大きく影響しますので、直系は最も大切なご先祖と心がけましょう。よく「孫はかわいい」といいますが、遺伝的にも霊的にも縁が深いからです。隔世遺伝かくせいいでんは劣性形質ばかり強調されますが、優性形質もまた同じことです。

ところが、血のつながりはなくとも父母の兄弟、つまり叔父・叔母の生き方も霊的には影響します。あさか大師ではこれを〈先亡〉としてご先祖に加えます。つまり、ご先祖の傍系ぼうけいです。叔父・叔母のことを常に想う方、夢を見る方は、その縁が深い方です。よく「有縁無縁うえんむえん」といういい方をしますが、曖昧あいまいな印象は免れません。無縁になっても、縁はあるからです。

そして〈水子〉です。女性の中には、「私には水子はいませんけど」とおっしゃる方がいますが、家系をたどれば必ず水子がいます。ただ、人生の苦悩を味わっていませんから、素直な子供さんが多いことは確かです。しかしこの世に生まれた兄弟を、うらやましくは思っています。忘れてほしくないのです。それが水子供養の肝心かんじんなところです。供養してあげると、成長した姿で夢に現れることがあります。水子供養を軽視する僧侶の方がいますが、現代社会の多くの問題が水子と関連していることを忘れてはなりません。私が『水子供養次第』(青山社)を刊行した理由も、ここにあります。

以上、あさか大師の「運命改善への先祖供養」を、三回に分けてお話しました。得心の行きました方は、ホームページの〈お問い合わせ〉よりご連絡ください。皆様の人生にご縁がありますよう。

続・運命改善への先祖供養

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運命

令和5年6月6日

 

「運命改善への先祖供養」を奉修する回向殿えこうでんをご披露しましょう(下写真)。あさか大師のご本尊は弘法大師(お大師さま)ですが、その隣にこの回向殿があります。私はここで毎日、〈光明真言土砂加持法こうみょうしんごんどしゃかじほう〉という秘法を続けています。

これは真言密教で最も大切な〈光明真言〉によって、一粒一粒のお土砂どしゃ(美しい白色の砂粒)が如意宝珠にょいほうしゅとなり、その功徳がご先祖を救い、施主の人生をも変えるという秘法です。経典には「身をこわし、命が終わって諸々の悪道にせんも、この真言をもって土砂加持をすること百八反して散ずれば、一切の苦悩を脱することができる」と説かれています。

一番奥がご本尊の光明真言曼荼羅こうみょうしんごんまんだら、その左右に両部曼荼羅りょうぶまんだら(金剛界・胎蔵界)がまつられています。その手前に先祖供養をなさる方のお位牌とお塔婆があり、その手前の茶筒のような仏器にお土砂が入っています。またその手前には、光明真言の象徴である五色の五輪塔が安置されています(下写真)。これらは秘法として伝えられるままに、私が理想的な回向殿として思案したものです。

前回のブログによって、数人の方からお問い合わせもいただきました。くり返しますが、大切なことは、

①私(お導師)と皆様(ご信徒)が、いっしょにこれを実修すること。プロの秘法とご信徒の信仰がご本尊と融合し、強大なパワーとなるからです。

②お盆やお彼岸、命日ばかりではなく、毎日これを実修すること。持続させなければ大きな功徳にはならず、運命改善(立命)のパワーにはなりません。

もし私が出張等で留守をする場合は、前日か早朝に実修します。ご祈祷のお護摩も同じです。ちなみに、あさか大師はご祈祷もご回向(先祖供養)も、きわめてお安い費用で済みます。それは、私が残された自分の人生を世間への恩返しとして過ごしたいためで、このことに一切のいつわりはありません。さらにご質問のある方は、ホームページの〈お問い合わせ〉からご送信ください。

運命改善への先祖供養

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運命

令和5年6月5日

 

あさか大師では昨日と一昨日、先祖供養の行事である〈総回向〉を奉修し、私と僧侶の方々、またご信徒の方々が共に読経をしました(下写真)。

この総回向は単なる法要でも、とむらいの行事でもありません。いうなれば、「運命改善のための先祖供養」を主旨としています。皆様は運命改善というと方位や改名、幸運を呼ぶ〇〇といった占いや風水、あるいはプラス思考などによるメンタルサイエンスが浮かぶと思います。私はこれらの分野についてもかなり研究しましたので、それぞれにたたえるべき長所があることは承知しています。また、日ごろのご相談でも、よく活用しています。

しかし、最終的に運命を決めるものは〈徳〉であることを痛感してきました。つまり、どんなに吉方や改名を活用しても、プラス思考を重ねても、徳がなければそれを生かすことができないからです。私はそうした実例をたくさん見て来ましたので、このことは自信をもって主張することができます。拙書『九星気学立命法きゅうせいきがくりつめいほう』(青山社刊)でも力説しました。つまり、最終的に運命を決めるのは徳を生み出す力、仏教が説く「ごう(カルマ)」の力であることを知っていただきたいのです。

では業はどこから来るのかというと、タテには先祖から、ヨコには前世からとお話をしています。その、タテの改善が先祖供養です。そしてヨコの改善がすなわち積徳せきとく(徳を積む生き方)で、合わせて立命りつめい(運命を立て直すこと)といいます。

そこで先祖供養のことですが、運命改善のためには自分のルーツである父方・母方の両家が必要となります。夫婦であるなら双方の父方・母方を加えて四家が子供さんにつながります。私はこれを、一本の樹木にたとえて説明しています(下写真)。つまり、根の養いこそ根本(!)であることを確認してください。

そして、さらに重要なことは、運命改善の先祖供養はお盆やお彼岸、また命日にのみ修するのではなく毎日これを続けることです。そうでなければ徳のパワーが途絶とだえるからです。また,私だけが実修するのではなく、私といっしょに、共に実修することも大切です。よく「供養料を支払いますから拝んでおいてください」などという方がいますが、それでは積徳になりません。いっしょに実修するから功徳が生まれ、積徳となり、立命となるのです。

講釈はこのくらいにして、皆様の中で関心のある方はホームページの「お問い合わせ」からご連絡ください。詳しく説明をいたします。一か月2000円で父母の両家(夫婦なら四家)の先祖供養ができます。ご縁のある方は、私のこのお話が十分に納得できるはずです。運命改善への先祖供養で、人生を変えましょう。

不老長寿の仙菓

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健康

令和5年6月1日

 

私はお菓子はあまり食べない方なのですが、代わりにいただいている〝おやつ〟が二つあります。

その一つがナツメで、中医学(漢方)では「大棗たいそう」という生薬で呼ばれています(下写真右)。胃腸の弱い人には最適ですし、食欲のない時や疲労がたまった時にナツメを食べると元気になります。また血が不足していたり、不眠で悩んだ時などの症状に効能があります。つまり滋養強壮・精神安定の妙薬なのです。さらに、花粉症で悩んでいる人には、これをせんじて飲むよう、そっと(!)教えています。

ナツメは日本ではあまり普及していませんが、中国や韓国ではかなりメジャーな食材です。中国の火鍋(フォーゴー)や韓国の参鶏湯(サムゲタン)などには欠かせません。ホテルの朝食にさえ出されることもあります。ほんのりと甘く、とてもおいしいです。今はネットでも手に入り、無農薬栽培やタネ抜きの商品もあります。

ちなみに、ナツメはあさか大師で毎年二月の第二日曜日に奉修する〈開運星祭り大護摩〉のお供物でもあります(下写真・奥より三列目)。つまり、神々の仙菓せんかとして、これを供えるわけですから、私には特に霊気のこもったありがたい食材といえるのです。中医学では「ナツメを一日三個食べれば老化を防ぐ」とされ、私は毎日これを実行しています。事実、年のわりには若く見られますよ。

さて、二つ目はクルミです(上写真左)。中医学には臓器を強くするには、同じような形をしたものを食べなさいという教えがあるのをご存じでしょうか。そこで、ボケ防止には脳の形をしたクルミがよいといえるのです。首をかしげる人もいるでしょうが、これは本当です。中医学では「胡桃肉ことうにく」と呼ばれ、れっきとした生薬なのです。私はかなり思考回路を働かせるので、ナツメといっしょにポリポリとかじっています。思考回路の悪い人(失礼!)は、ぜひお試しを。

クルミはまた、いま話題のオメガ3系オイルをたくさん含んでいます。魚油に含まれるDHA・EPAと共に、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げ、血流を促進します。講釈はともかく、成分など何も知らなかった古代人の智慧には驚かざるを得ません。まさに〈仏智ぶっち〉といえるのです。

霊的な顔が見える人

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令和5年5月28日

 

子供の頃、天井てんじょうの木目が人の顔に見え、こわい思いをしたものです。これは精神医学で「パレイドリア」と呼ばれる現象で、雲やの葉などの形がそのような連想を呼ぶからです。たとえばアメリカ映画『Premonition』(邦題「シャッフル」)のDVDジャケットには、木立が人の顔に見える姿を象徴的に表現しています(写真)。よく滝修行で「お不動さまが見えた」とおっしゃる方がいますが、岩の凹凸がこの現象を呼ぶ場合もあるのです。もちろん、そのように見えること自体が悪いわけではありません。ただ、自慢をしたり、自分が〝神様〟にでもなったようにお話をする方がいますので、このことは注意する必要があります。

ところが、実際には存在しない、つまり霊的な顔が見えるという場合が確かにあります。特に子供さんにはこの体験が多く、私も何度か学習塾から相談を受けたものでした。誰かが「オバケがいるよ!」というと、子供たちがそろって「ホントだ!」といいます。そうすると、これを気味悪がった子供たちが次々に欠席するので、オーナーには悩みの種となります。中には講師の先生までが「やめたい」といい出す始末で、結局は私におはらいの依頼が来るのです。

もちろん大人でも、霊的な顔を見ることがあります。また、はっきりと顔が見えなくても、片手片足だけが見えたり、音や気配で知らされることもあります。また海や川で撮影した写真に、いるはずもない人の顔や手足が映る、いわゆる心霊写真を見せられることもたびたびでした。

私自身は子供の頃はともかく、現在は陽炎かげろうのように見える場合と、気配や音で知らされることが多く、直接にはっきりと顔を見ることはありません。しかしお盆やお彼岸、命日の日には、こうした現象をよく体験します。だから、死者にとって、命日は特別な日であることは理解しているつもりです。つまり、その日の特有の波動が霊的に呼び合うのでしょう。

霊的な顔が見えて悩みを抱える人は意外に多く、よく相談を受けます。そのような体験などない方がよいのですが、そうもいかないので悩むのです。そのような方は、あさか大師にぜひお越しください。毎日11時半よりご祈祷のお護摩を修し、お役に立てるよう、努力いたします。もちろん、普通であることが一番いいのですよ、皆様。

最も身近な宇宙とは

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真言密教

令和5年5月26日

 

真言密教は人体を宇宙としてとらえます。これを説明するために、興教大師こうぎょうだいし(新義真言宗開祖)はこれを五輪塔ごりんのとうによって表現しました(写真)。

五輪とは地・水・火・風・空の自然界を、それぞれ四角・円・三角・半円・団の形によって説明したものです。大地は堅い四角で、水玉は丸で、立ち上る火は三角で、舞い上がる竜巻(風)は半円で、雲(空)は団形で表示しました。さらに、これを人体に配当すると、瞑想で座った足の形は四角い大地です。おなかと両腕は円となります。肩の形は三角で、顔は半円、頭は丸です。つまり、私たちの体はこの自然界の縮図であり、宇宙そのものなのです。

私たちはお母さんの体内から生まれましたが、このような姿を誰が創ったというわけではありません。世の中には不思議な出来ごとがあるものですが、最も身近なところに、こんな不思議があったのです。いうなれば、仏さまがお創りになったとしかいいようがないのです。

もう一つお話をしますと、かつて韓国の歴史ドラマに『ホ・ジュン』という名作がありました。主人公の名が許浚ほじゅんで、16世紀に活躍した漢方医学者です(写真)。ドラマは彼の生涯の偉業である医学書『東医宝鑑とういほうかん』を完成させるまでのストーリーで、私は長編のビデオでこれを見ました。『東医宝鑑』はユネスコの世界記録遺産にも登録され、韓医大学では今でもテキストとして学ばれているほどの古典的な名著です。

ところがストーリーの最後、まさに『東医宝鑑』が完成する場面で、すばらしい名言が放映されました。私はこれを夢中になってメモを取りましたが、その走り書きが残っています。

「人の頭が丸いのは天に似て、足が四角いのは地に似る。天に四季があるように、人には四肢しし(両手足)がある。天に五行ごぎょう(木・火・土・金・水)があるように、人には五臓ごぞう(心・肝・脾・肺・腎)がある。天に六極ろっきょく(疾・憂・貧・悪・弱)があるように、人には六腑ろっぷ(大腸・小腸・胆・胃・三焦さんしょう・膀胱)がある」

これもまた、人体の宇宙を説明するに、かんにしてようを得ています。私たちは最も身近な宇宙が自分であることを知らねばなりません。また、これがお大師さまの教えでもあることを覚えておいてください。人体とはかくも偉大なものなのです。

見えない力を引き出すために

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宗教

令和5年5月24日

 

昨日、お葬式に出仕しましたら、葬儀社の方がお焼香の仕方を説明していました。つまり、今の日本ではお焼香の仕方も知らない人が増えたということなのでしょう。

核家族化が進展した現代の日本は、仏壇も神棚もなく、高齢者がいない家が多いわけですから、当然といえば当然です。かつての日本の子供たちは、両親や祖父母が仏壇に合掌がっしょうし、神棚に拍手かしわでを打つ姿を見ながら育ちました。つまり、近い先祖は仏壇に、遠い先祖は神棚にまつってこれを大切にして来ました。これによって、言葉では教えずとも、親や先祖を大切にすることの大切さをおのずから自覚したのです。さらに、人生には自分の努力はもとより、〝見えない力〟が多分に働くことを自覚したのです。特に社会的な成功者ほど、この傾向は強いはずです。

では、その見えない力はどこから来るのでしょう。これを経営分野から主張した例として、窪寺伸浩くぼでらのぶひろ氏の『なぜ、成功する人は神棚と仏壇を拝むのか』(あさ出版)があります(写真)。窪寺氏は「神棚マイスター」という肩書で活躍していますが、見えない力を引き出す手立てとして、仏壇や神棚の重要性を強調しています。

人は生きていく過程の中で、いくつかの〈儀式〉を経験します。入学式があり、成人式があり、入社式があり、結婚式があります。これを経験してこそ、その学校の児童(生徒・学生)になったことを、一人前の大人になったことを、その会社の社員になったことを、誰もが認める夫婦になったことを自覚するのです。言葉ではこの自覚は生まれません。「親を大事にしなさい」と言葉で教えても、その親が仏壇や神棚を拝む姿を見せなければ、その自覚は生まれません。昔ながらの日本のこの風習は、きわめて重要です。そして、この風習が日本を支えてきたのです。

お葬式が大切なことは、同じように重要です。親のお葬式もしないで、自分の子供に大切にしてもらうことなど、望めるべくもありません。老いて病気となり、やがて死を迎える姿を見せ、それを弔う姿を見せることです。そして、仏壇や神棚を拝む姿を見せることです。それがまた、見えない力を引き出せる手立てとなるなら、これほどよいことはありません。

仏壇も神棚も、決して高価なものを求める必要はありません。また、住宅スペースにも限りがあります。ほんのわずかでよいのです。神聖な場所を設け、これを拝む姿を子供たちに見せましょう。親や先祖を大切にすれば、自分も大切にされるのです。そして、社会からも大切にされ、見えない力を引き出せるのです。

魂を入れるために

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信仰

令和5年5月21日

 

数日前、エンゼルスの大谷翔平選手が、自分のバットに〈心臓マッサージ〉をしている姿がテレビ放映されていました。バットの上(太い方)から三分の一ほどの所を自分の片膝かたひざに乗せ、両手を心臓マッサージと同様の手つきを何度もくり返していました。もちろん野球のバットは堅い木材ですから、心臓マッサージのようにはいきません。チームメイトも「またやっているのか」といった表情で、笑っていました。

私はその放映のほんのわずかを目にしたに過ぎませんが、「なるほど!」と思ったのです。どうしてかといいますと、大谷選手ほどの〝天才〟でも、スランプはあるのでしょう。以前、まったく打撃がふるわなかった折、悩みぬいた末にバットへの心臓マッサージを思いついたらしいのです。するとどうでしょう、次の試合から連続ホームランが飛び出したのです。スポーツ選手はよくゲンをかつぐといいますが、本当に苦しんだ時には、こんなことも思いつくものです。ゲンの担ぎも大事なのです。

しかし私は、この心臓マッサージは単なるゲンの担ぎとは思えません。なぜなら、仕事上の道具に魂を入れるためには、これくらいの配慮と努力がいるからです。手入れを怠らぬことはもちろんですが、普段とは違った何かを工夫しなければなりません。つまりプラス・アルファの力が必要だということです。

私が若い頃、法螺貝ほらがい(写真)の練習に励みましたが、なかなかいい音が出ませんでした。特にユリといわれる高音を響かせるまでには悩みました。そこで私が考えたことは、法螺貝を持って滝に打たれることでした。自分の法螺貝に想いを込めるためには、今はこれしかないと思ったからです。もちろん滝の中は岩だらけですから、落下の勢いに押されて落としたりしたら大変です。それでも法螺貝に魂を入れるつもりで、その荒行に挑みました.

結果は上々でした。法螺貝との一体感が深まったのでしょう。自分の吹き込む息と、ピッタリと同化してきたのです。ユリも出せるようになりました。以来、仕事の道具(私の場合は法具)にはこれくらいの配慮と努力がいることを実感しました。皆様の道具は何ですか。魂を入れていますか。そのための配慮と努力をしていますか。「魂を入れるために」ですよ。

山路天酬密教私塾

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