山路天酬法話ブログ

スジャータは何を捧げたのか

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仏教

令和7年8月27日

 

お釈迦さまは悟りを開くまで、6年間もの苦行を続けました。そして、肉体は骨と皮ばかりの極限に達しました。それを見た村娘のスジャータはこれを哀れみ、持参していた乳粥にゅうがゆを捧げました。

お釈迦さまはたちまちに体力を回復し、ネーランジャラー河で沐浴し、菩提樹下ぼだいじゅげして瞑想し、ついに悟りを開きました。したがって、このスジャータの功徳は、はかり知れないものがあるといえましょう。

ところで、このスジャータが捧げた乳粥とは、どんな食べ物だったのでしょうか。これを解説してヨーグルトとしている学者さんもおりますが、これは違います。

インドにはお米に牛乳とハチミツを加え、これを煮つめた「キール」というお粥があり、よくお祝いの食卓に並びます。現代ではさらにナッツ類やレーズンを加え、デザートとしても喜ばれています(写真)。

残念ながら、日本のインド料理店のメニューには入っていませんので、自分で作ってみるとよいでしょう。2500年前、偉大な聖者を生み出した逸品です。

ちなみに、私は何度も断食修行をしましたが、あまりに体力を消耗した折は、ハチミツをスプーン一杯いただきました。また、終了の折はお粥から補食をしますが、たちまちに体力が回復したものです。だから、スジャータの乳粥がいかに栄養に富んでいたかは、充分に理解しています。

また、日本ではご飯を「舎利しゃり(仏さまの真骨)」と呼ぶのも、あながち偶然とは思えません。必要な人には、必要なものがるからです。

人生70パーセント主義

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人生

令和7年8月24日

 

故・斎藤茂太さんは精神科医として斎藤病院の院長を務めるほか、ユーモアあふれる著作家としても活躍しました。私が特に愛読したのは『人生80%主義』という著書です(写真)。

この著書で斎藤さんが主張していることは、精神的なトラブルのほとんどは完全主義から来るから、これを80パーセントほどに水準を引き下げるべきだということでした。

もちろん、完璧を求めることは重要です。しかし、うつ病などの症状にを抱える人は、みなまじめで責任感が強く、100パーセント成し遂げようとする傾向が強いことは間違いありません。

だから、その目標を80パーセントほどにすれば、精神的なストレスはかなり緩和するはずです。人生もまたハンドルのように、少し〝遊び〟がなければ、心のかじ取りはできません。

しかし、私はさらに水準を下げ、70パーセントほどにしたらよいのではないかと考えています。自分が望んだこと、実行したことの70パーセントも達成されれば充分です。私もかつては完全主義の性格がありましたが、そのように考えるようになって、本当に楽になりました。

これはもちろん、妥協ではありません。目標に向かっては全力で当たり、自分の力を出し切ることが大切です。しかし、失敗しても、悔いが残っても、引きずってはなりません。次のチャンスに託して、発想を切り替えましょうということです。

万病に効く「水平足踏み」

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健康

令和7年8月21日

 

私は毎日、大きな声で読経し、法螺貝ほらがいを吹き、太鼓たいこをたたいてお護摩を修します。したがって、私にとっては、仕事そのものが健康法であるといえましょう。

そのほか、毎朝欠かさず実行している健康法に、故・加藤治秀医師が考案した「水平足踏あしぶみ」があります。これはくり返す足踏みの太ももを水平に上げるだけの単純なものです。しかし、考案者の著書に「万病に効く」(写真)とあるだけに、その効果は絶大です。また、瀬戸内寂聴尼が実行していたことでも知られています。

ウォーキングもよいのですが、真夏の炎天下や雨天の日には、実行しにくいものです。その点、この水平足踏みは天気に左右されず、器具もいらず、場所も取らず、費用もかからず、わずか3分で終了します(タイマーか砂時計を使用)。

始めての人は、けっこう「キツイな!」と思うかも知れません。しかし、慣れてくれば階段など、楽に昇れる自分に気づくはずです。太ももを水平にまで上げるには、自然と背筋が伸びますし、腕の運動にも、呼吸法にもなります。

ぜひ実行してみてください。何をやっても続かないという人にこそ、むしろお勧めです。

私の人生の宝

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真言密教

令和7年8月19日

 

あさか大師には「宝物」と呼べるものはありませんし、もちろん宝物殿などもあるはずがありません。

しかし、ひたむきに祈る姿こそが、この寺の〝宝〟だと思っています。毎日のお護摩もしかりです。また毎日、私がお導師となって弟子僧と共に祈り続ける先祖供養の「光明真言ネットワーク」もしかりです。

私は30代の若い頃、八千枚護摩はっせんまいごまという荒行を、50回も達成しました。一週間断食して不動真言を10万遍お唱えし、その後に八千枚の護摩木をくという真言密教のきびしい修法です。真夏などはもうろうとして意識がうすれ、汗によって眼も開けられず、法衣の表までもびっしょりになりました。不思議な体験もありました。

その頃に使っていた護摩しゃく(油を注ぐ法具)が今も残っています(写真)。

手に持つの部分はカシでできていますので、よほどの高熱でも曲がることはありません。しかし、一度は完全に燃え尽き、二度目はこのように湾曲してしまいました。私はこれこそ自分の人生の宝なのだと考え、大切に保管しています。

この護摩杓を見ると、若い頃の情熱がよみがえり、またがんばろうという気持ちになります。若さとは貴重なものです。二度と帰らぬ若さを無駄にしてはなりません。お若い方には、このことをお伝えしたいと思います。

金運護摩の浄炎

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未分類

令和7年8月17日

 

あさか大師では本日、金運宝珠護摩が奉修され、多くの皆様が参詣されました。皆様、早くからお越しになり、護摩木をお書きになるのはいつものとおりです。投じられた護摩木は、浄炎となって舞い上がり、堂内に遍満しました(写真)。

金運はお金を好きになり、お金を大切に扱い、お金の神様に好かれなければ高まりません。お金は汚いものとか、お金をもっている人は悪いヤツだと思ってはなりません。

お金は平等に、世の中に何かを与えた分が与えられます。与えずして得たお金、また詐欺さぎや悪事をなして得たお金は、いずれは必ずつぐなうことになります。

いつもこんなお話をしていますが、お金に対する正しい見識をもって、皆様の金運が高まることを念じております。この浄炎の功徳を、たくさんいただいてください。

200円で金運を高める

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金運

令和7年8月15日

 

あさか大師では8月17日(日)午前11時半より、人気の金運宝珠護摩を奉修します。お参りの方には〈金運銭〉を差し上げますので、お財布にいれてご加護を仰ぎましょう。遠方の方は同時刻に祈り、如意宝珠のパワーをいただいてください。

護摩木は一本200円なので、皆様が熱心に書かれます。何本でもお書きください。護摩木は多くの寺院で値上げしていますが、可能なかぎり今の200円を続けます(写真)。

もちろん、護摩木を書いたからといって、天からお金が舞い降りて来るはずはありません。金運の護摩木はお金の神様と縁を結び、お金の神様に好かれるためのチャンスを引き寄せるものです。

何かを始めなければ、何も変わりません。人が喜ぶこと、人の役立つことをすれば、お金の神様も喜び、神様に好かれます。お金の神様は好いた人にしか近づきませんし、持つにふさわしい人にしか与えません。『大学(四書五経の一つ)』に「財を生ずるに大道(正しい道)あり」と記されています。

だから、お金を悪く思ったり、粗末に扱うとお金の神様に嫌われ、金運も遠のきます。そのことを理解して、お参りしましょう。

続・人生の粕汁

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健康

令和7年8月14日

 

酒粕の薬効については、秋田大学名誉教授・滝澤行雄先生監修の『酒粕のすごい特効』(宙出版)を読んでいただくのがよいでしょう(写真右)。また、カラー本では『酒粕のパワーでやせる! 健康になる!』(学研)などもおすすめです(写真左)。

酒粕の主な薬効を列記しましょう。

①インスリン様物質によって糖の吸収を抑え、糖尿病を予防する。

②γ(ガンマー)アミノ酪酸によって、血圧を下げる。

③システインプロテアーゼ阻害ペプチドによって、骨粗しょう症を予防する。

④ウロキナーゼの合成を促進させて、脳梗塞や心筋梗塞を予防する。

⑤カテプシンBを阻害し、花粉症などのアレルギー体質を改善する。

⑥NK細胞を活性化し、リンパ球のガン細胞を抑制する。

そのほか、老化防止・認知症の予防・うつ病改善にも大きな効果があります。また美容効果が高いことは、酒蔵の杜氏とうじがシミひとつなく、すべすべの肌をしていることでも理解できましょう。すでに多くの酒造会社が化粧品を販売していますので、ネットで検索してみてください。そっとお話しますが、洗顔の後に柔らかい酒粕でパックをすると、個人差はありますが、この上ない美肌になります(秘密です!)

これほどに薬効のある酒粕は、日本の宝です。そして、酒粕をもっとも手軽に食用できるのが粕汁です。「人生の粕汁」は、私の生涯の健康源です。

人生の粕汁

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健康

令和7年8月12日

 

私の健康源は粕汁かすじるです。日本には味噌・醤油・酢・納豆・梅干など、すぐれた食材がたくさんありますが、酒粕さけかすの薬効が注目されないのは残念でなりません。

そもそも医学の〈〉とは、「酉(酒)を役立てる」ことです。だからこそ、お酒は〝百薬の長〟と呼ばれるのです。

私はお酒はほどほどにしていますが、酒粕は人生の宝物と思って食用しています。ダイコン・ゴボウ・ニンジン・シイタケ・コンニャク・油あげ・豆腐と、七種類の具材を用い、ダシをとり、これを煮込み、酒粕に味噌と秘伝の〇〇を加えて、毎日一度は食卓にのせています(写真)。

今や日本酒は世界的なブームですが、いずれは酒粕の薬効が注目され、さらには日本の主食たる〈米〉の偉大さが注目されることは間違いありません。だからこそ、天照皇大神がこの国の主食としたのです。猛暑の夏は冷たいものばかりを口にしがちですが、こんな時こそ粕汁は最高の健康食です。

私が毎日休むことなくお護摩を修し、先祖供養に励み、顔ツヤもよく、若々しく、元気に働けるのは粕汁を飲んでいるからです。私の人生を支える「人生の粕汁」です。その薬効については、次回に。

与えられる唯一の方法

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真言密教

令和7年8月10日

 

私は毎日、夕食のご飯や汁の一部を別の器に入れ、深夜になって施餓鬼せがきをしています(写真)。これは20代で僧侶となった折、師僧より「真言密教の僧侶は毎日、施餓鬼を勤めねばならない」との教示をいただいたからです。

そして、師僧はさらに、「施餓鬼は何も求めないで無欲で修すること」ともおっしゃいました。たしかに、施餓鬼をしながら、お寺に人が集まるようにとか、お布施が集まるようにと念じながら修することはありません。

しかし、何も求めないで無欲で修することが、かえって大きな功徳になることは間違いありません。なぜなら、無欲で修することは陰徳いんとくであるからです。陰徳とは明るみに出ない功徳のことです。これによって、人にほめられようとか、世間に知られようといった意図は何もありません。

しかし、私が特に病気もなく健康で、お護摩や先祖供養に励み、お寺に大勢の皆様がお参りくださるのは、この施餓鬼の功徳が大きいと思っています。与えることは、与えられる唯一の方法です。お護摩はお大師様に与え、先祖供養は死者に与え、あらゆる職業は社会に何かを与えるからです。そして、それを周知徹底しているのが施餓鬼なのです。

水子供養で大切なこと

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水子供養

令和7年8月8日

 

私は毎日、お大師様やご先祖への行法と共に、水子供養も実修しています(写真)。そして、水子供養は先祖供養と同様、とても大切なお勤めだと思っています。なぜなら、水子ほど不幸な〝いのち〟はないからです。

どんなに不幸な人でも、親から授かった名前があります。また、親と共に暮らした思い出があります。そして、死亡すればお骨があり、位牌があり、お墓があります。しかし、水子には何ひとつありません。これほど不幸な事実があるでしょうか。

子供さんの性格がすさんだり、非行に走ったりしたら、水子の影響があると考えねばなりません。そして、名前(戒名)をつけて供養してあげてほしいのです。そして、心にとどめ、忘れないでほしいのです。つまり、水子供養で大切なことは、この世に産まれた兄弟と同じように、親として接してあげることです。

あさか大師の水子観音堂には、お線香を供える方や、お菓子を持参する方がたくさんいます。心ある方は、ぜひお参りください。また、ホームページの「水子供養」もご覧ください。

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