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挿花
令和元年6月23日
ギボウシをいただいたので、さっそく床の間に挿しました(写真)。漢字では擬宝珠と書きますが、つまって「びぼうし」あるいは、「ぎぼし」と言います。文字どおり「宝珠に似たもの」といった意味の花です。写真ではわかりにくいかも知れませんが、蕾の形がお寺や橋の欄干(先のとがった飾りをつけた手すり)に似ています。つまり、仏教の如意宝珠にも似た花ということです。
東アジアに多く分布し、特に日本には二十種ほどあるそうです。谷沿いの岩場や湿原などに生え、白や薄紫の花を咲かせます。この時期に山に入ると、谷川の傍らでよく見かけることでしょう。ただ、一日花なので、朝に開いて、夕方には閉じてしまいます。
実は、ヨーロッパでも人気があります。それは江戸時代にシーボルトが持ち帰ったため、もともと自生していたかのように普及したからです。ツアーを組んで、わざわざ日本にやって来る人たちがいるほどで、うれしいかぎりです。ナポリ出身の友人女性・ブルーナさんに、「これは仏教の花ですよ」と説明したことがありました。
お大師さま(弘法大師)は如意宝珠を真言密教の象徴とされました。だから、この花をお供えとして挿しています。あさか大師のご宝前にも如意宝珠を安置していますが、それに花が添えられれば、申し分がありません。今日一日がとても豊かになりました。
皆様もこの花を見ましたら、ぜひ今日のブログを思い出してください。そして、仏教の花であることを人にも教えてください。