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あさか大師
平成31年4月9日
隣接の桜並木が満開になりました。
桜の名歌はいろいろありますが、私は親鸞上人が九歳の折に詠んだとされる、
明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは
が記憶に残ります。九歳の若松麿(親鸞上人の幼名)が比叡山を訪ねて出家を願い出たところ、「時間も遅いから、明日にしてはどうか」との答えに対する返歌とされています。できすぎた話にも聞こえますが、まずは〝いい歌〟として引用いたします。
解説は無用でしょうが、明日にでも花見をしようと思っていても、夜半に嵐が吹けば、ということでございます。何やら身に覚えもございましょう。明日に延ばしてホゾをかんだ経験は、お互いさまでございます。
まあ、説教めいたお話より、きれいな桜ことばを紹介しておきましょう。
・桜雨(桜の咲くころに降りそそぐ雨)
・桜おぼろ(満開の桜の花が、遠くぼんやりとおぼろに霞んださま)
・桜かげ(水辺の桜の花が、水辺に映じて見えるさま)
・桜狩り(山野に桜の花をたずねること)
・桜ぐもり(桜が咲くころに曇りやすい空模様のこと)
・桜ごろも(重ねの色目のひとつ。桜が咲くころに着る晴れ着)
・桜彩(桜色に染まるさま)
・桜流し(桜の花が散って水に流れてゆく図を描いた模様)
・桜もみじ(晩秋に桜の葉が紅葉すること)
・桜守(花見でにぎわう中で、桜の管理をする人。花守とも。)
まずは、こんなところで止めましょう。桜のお話は、また。