令和2年3月20日
昨夜からお大師さまの正御影供(お姿の御影を供養する法要)の準備にかかり、御影のお持物(水瓶・木履・念珠)を供えました。こうしたお持物は、今や高野山にすら残っていません。かつて、私が『弘法大師御影の秘密』(青山社)を執筆した時に発願し、作成していただいたものです(下写真手前)。
また、仙菓の礼奠として十種類の霊薬もお供えしました。これはお大師さまがご入定される前、五穀を断っていた折に召し上がっていたであろうと思われる物を、私なりに選んだものです(下写真奥の白い高坏)。お大師さまのご著書を読みますと、いかに漢方に通じていたかという事実に驚かされます。いったい、いつの間にあのような勉強をなさったのか、不思議でなりません。
このような準備のもと、本日の午前十一時半より正御影供の法要を迎えました。得度をした僧侶の皆様も、だいぶ声明(ご真言や経典の曲)に慣れていただいたようです。またお導師の私が祭文を唱え、全員での勤行も加えました(下写真)。
続いて午後一時からは、春彼岸法要、その後は春彼岸の水子供養も奉修しました。春彼岸法要では大勢の方々がお参りし、それだけに読経の勢いがありました(下写真)。そして法要の後、一年間の祈りを込めた光明真言の〈お土砂〉を授与しました。白い小さな砂粒ですが、この一粒一粒が如意宝珠と化現したものです。
そして水子供養の後は、二名の新発意(仏門に入る決意をした方で、白い奉書を胸にしています)の得度式を挙行しました。まだお袈裟の着用が、サマなっていないのはやむを得ません。無事に修行をまっとうしていただきたいと念じています(下写真)。
忙しい一日でした。今日は写真でお伝えした方がよいと考え、文章はこのへんで留めます。ご助法いただいた僧侶の皆様、お参りいただいたご信徒の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。