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仏教
令和元年5月15日
お釈迦さまは人間のあらゆる苦しみの原因は、〈無明〉であるとされました。
〈明〉とは智慧のことです。ですから、無明とは智慧がないこと、つまり、おろかであるという意味になります。そうすると、「バカは死ななきゃ」と言いますけれども、輪廻転生をも含めて考えれば、「バカは死んでも救われない」こそ仏教の教えだと申し上げたら、叱られますでしょうか。
ふざけているのではありません。まじめなお話です。考えてみてください。これまでに自分が失敗し、苦しみ悩んだんだことの原因は何でありましたでしょうか。あんなヤツに出会ったからですか? サギにあったからですか? 仲間割れをしたからですか?
これらはもちろん、その原因の一つには違いありませんが、根本原因ではありません。根本原因は他人にではなく、自分自身にあるのです。結局は自分に分別が足らず、見識が足らず、思慮が足らず、要は自分がおろかであったのだと、そのように思いませんか? 自分がバカであったのだと、そのように思いませんか?
人ごとではありません。私も何とおろかな人生を歩んだものかと、バカな人生を歩んだものかと、今にして思えば悔い入ることばかりです。だから、生きるためには少しでも無明を脱し、智慧とは行かずとも、せめて〝智恵〟ほどはみがく必要があるのです。
これはお釈迦さまの教えですよ。素直にお聞きあそばせあれ。