令和元年9月17日
今日も二名の方に伝授をしました。その中で、人間の体こそは自然界そのもの、宇宙そのものであるというお話をしました。そのことを、皆様にもお伝えしましょう。
まず、私たちの頭は丸くて頂上が少し盛り上がった形をしています。お大師さまの頭はその典型で、これは天空を示し、宝珠の形を象徴するのです。天空を見あげてみてください。全体が丸くて、しかも無限のかなたに遠のくはずです。あさか大師はほぼ360度に視界が開けていますので、そのことがよくわかります。ちなみに申し上げますが、キューピーちゃんの頭は、その形を少し大げさにしたということです。
次に顔は、額からアゴにかけては半円です。これは風の形を示します。風は大きく回転しながら半円を描いて進むのであって、台風も竜巻もその例外ではありません。
次に、首から肩にかけては三角形です。これは火を示します。火は上に向かって細くなりますから、全体が三角形になるのです。お護摩を修する時、お導師が最初に三角形の炎をイメージするのもこのためです。
次に、お腹はお臍を中心に丸い形をしていて、水を示します。お腹は飲んだものや食べたもので、水分が多いのです。つまり、水玉の丸い形でこれを象徴するのです。カルピスの水玉模様を見れば、誰でも水を連想するはずです。
そして最後に、両足を座禅のように組んで座ると、横長な四角形になり、大地を示します。私たちが両足を大地に着けて生きているのも、実はこの意味なのです。
以上を両足から順に示せば〈地・水・火・風・空〉となり、真言密教ではこれを〈五大〉といいます。私たちの体が自然界そのもの、宇宙そのものの縮図であるという意味です。だから、「人間のこの体にこそ仏が宿るのだ」とするのが、お大師さまの教えです。私たちの体は、それほどに尊いことを知らねばなりません。