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真言密教
令和6年9月4日
仏さま(如来・菩薩・明王)へのお供えには密教修法での荘厳(壇上のおかざり)を除いて、特別な決まりはありません。たとえば「お不動さまはいかにもお酒が好きそうだ」といってお供えをしますが、決してお不動さまがお酒を望んでいるわけではないのです。
仏さまは悟りの境地に達していますので、「あれがほしい、これがほしい」と執着をいだくことはありません。もちろん、祟りをなすこともありません。よく「観音さまが怒ってるよ」などという方がいますが、それは観音さまを名のった方が都合がよいからなのです。大慈大悲の観音さまが祟ることは絶対にありません。このことは心得ておきましょう。
しかし、神さま(天・権現・明神など)はそうはいきません。特に聖天さまや荒神さま、星祭りの神さまなどには、厳密な決まりがあります。また、それに違反したり、御礼参りを怠ると祟りをなすこともあります。神さまにはまだ、執着があるからです。ただ、神通力で仏教を守護し、仏さまによくお仕えくださるので、そこがありがたいのです。
あさか大師には神さまとして鎮宅霊符尊と八大龍王さまがお祀りされていますので、いつも八種類のお供えをしています。すなわち、お酒・水・お茶・洗米(五穀)・塩・もち・菓子・木の実です(写真)。
「触らぬ神に祟りなし」といいますが、よくいい得ています。簡単な気持ちで神さまに願がけをしたり、失礼をしてはなりません。それができないなら、はじめから触らぬ(!)ことです。