令和2年5月16日
新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が、まず三十九県で解除されました。
宣言期間中は、国民の多くが強いストレスや危機感を感じたことと思います。外にも出られず、学校にも行けない子供たちは勉強も遅れ、友達とも遊べぬ不満が重なったはずです。また、ご主人もお子さんもいる狭い家の中で、炊事も家事も休めぬ主婦は言葉も乱暴になったかも知れません。家族や夫婦間のDVが増え、「コロナ離婚」なる冗談(もしや本音!)まで耳にする始末でした。一方、お店も工場も未曾有の危機に立たされています。すでに倒産した会社も、数知れません。補助金や借入れで乗り切れるかどうか、まさに瀬戸際の様相です。
また、マスクや消毒液すら、なかなか手に入らない状況は今も続いています。一時はティッシュやトイレットペーパーまで不足する有様でしたが、こちらはほとんど復旧しました。食品も、納豆ばかりは「一家に一パック」などと表示されていますが、さほどのことではありません。私は戦後の生まれですから大きなことは言えませんが、終戦を経験した方ならどうということもないはずです。サツマイモのツルを食べて飢えをしのいだお話をうかがえば、まだまだ楽な時代だと思います。
物に不自由する生活を、初めて経験した国民も多かったことでしょう。つまり、〝平和ボケ〟した私たちは喝を入れられたのです。また人類の愚行に対して、地球そのものがリセットを強いられたのです。このブログでも何度かお話をしましたが、この世は無常なのです。いつ何が起きるかわからない、変わらないものなど何ひとつないということなのです。平和で安心して暮らせる社会など、この世にはないのです。それだけに、私たちは危機感に対してもっと敏感にならねばなりません。地震や台風だって、いつやって来るかはわかりません。誠実でまじめに生きていても、どんな凶悪が迫っているかはわかりません。私も昨年は台風被害を経験しましたので、早くも備えを固めています。
コロナウイルスの件にもどりますが、ここで気を許してはなりません。もし二次感染が増え、再び非常事態宣言が発令されることになどなったら、今度こそ最悪です。人は「もう大丈夫だろう」という時が、一番あぶないのです。九割かた終ったと思って安心すると、最後にミスをします。これで勝ったと思って油断すると、最後に逆転されます。おそらく、一年ほどは警戒を続けねばなりません。専門家の意見にも耳を傾けましょう。
多くの人々が外出を始め、仕事を始め、お店にも入り始めています。もう一度申し上げますが、「もう大丈夫だろう」という時が一番あぶないのです。「ここで気を許すな!」と、おまじないのように何度でも唱えることです。声に出すと、人は実行するものです。そうなのですよ。