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人生
令和7年8月24日
故・斎藤茂太さんは精神科医として斎藤病院の院長を務めるほか、ユーモアあふれる著作家としても活躍しました。私が特に愛読したのは『人生80%主義』という著書です(写真)。
この著書で斎藤さんが主張していることは、精神的なトラブルのほとんどは完全主義から来るから、これを80パーセントほどに水準を引き下げるべきだということでした。
もちろん、完璧を求めることは重要です。しかし、うつ病などの症状にを抱える人は、みなまじめで責任感が強く、100パーセント成し遂げようとする傾向が強いことは間違いありません。
だから、その目標を80パーセントほどにすれば、精神的なストレスはかなり緩和するはずです。人生もまたハンドルのように、少し〝遊び〟がなければ、心の舵取りはできません。
しかし、私はさらに水準を下げ、70パーセントほどにしたらよいのではないかと考えています。自分が望んだこと、実行したことの70パーセントも達成されれば充分です。私もかつては完全主義の性格がありましたが、そのように考えるようになって、本当に楽になりました。
これはもちろん、妥協ではありません。目標に向かっては全力で当たり、自分の力を出し切ることが大切です。しかし、失敗しても、悔いが残っても、引きずってはなりません。次のチャンスに託して、発想を切り替えましょうということです。