令和5年1月22日
私たちは産声をあげてこの世に誕生します。つまり、この世に生れた最初の行動は、声を出すことでした。また、泣き声の大きい赤ちゃんは元気だともいわれます。これも、声の大きさが生命力の如何を証明する事実ともいえましょう。
逆にいえば、意識的に腹式呼吸(生命力の宿る丹田からの呼吸)をしつつ、大きな声を出せば健康法としての効果が期待できるのです。たとえば、カラオケです。カラオケで一曲を歌うと、100メートルを全速力で走った時と同等の有酸素運動になることがわかっています。全力疾走は心臓の悪い人には勧められませんが、カラオケなら何の問題もありません。楽しく歌いながら自律神経を整え、ストレスを解消し、血管をしなやかにし、血圧も下がります。さらに、動脈硬化を引きおこす中性脂肪まで減少することが判明しています。
これは私が知っている実話ですが、ある70代の女性が肺がんを患い、主治医から余命2年以内と宣告を受けました。彼女は人生の最後をどのように過ごすかを思案しましたが、カラオケで青春時代の思い出の曲を歌ってみたいと決心するにいたりました。ところが、自分でも驚くほどにハマってしまったのです。彼女は毎日毎日、カラオケに夢中になりました。どうしてもっと早くカラオケに出会えなかったのかと、悔やんだくらいでした。
半年ほど過ぎた頃、また主治医のもとを訪れ、再検査をしました。するとどうでしょうか。あの肺がんがスッカリ消えていました。有酸素運動によって自然治癒力が高まり、健康な肺に戻っていたのです。私はこのお話を聞くや、いわゆる〈声出し健康法〉に対して大きな自信を得ました。しかし考えれみれば、カラオケをせずとも、声出し健康法なら私は一日として休むことなく実践しています。皆様、おわかりですよね。
そうです、読経こそは〈最高の声出し健康法〉なのです。しかも、単なる健康法にとどまらず、仏さまには法楽となり、ご先祖には供養となり、自分には功徳となるのです。さらに訳文を学べば教養となり、写経をすれば書道の稽古となり、携帯すれば御守となるのです。こんな健康法が、ほかにあるでしょうか。あさか大師では僧侶はもちろんですが、参詣者が一緒に読経ができるよう『あさか大師勤行式』を販売(一冊千円)しています(写真)。
一般には、腹式呼吸は女性の方は苦手だとされますが、心配いりません。あさか大師で一緒に読経をすれば、自然にお腹から大きな声が出るようになります。まるで〝天上の声〟です。「お経は耳で読め」といいますが、お腹から声を出す僧侶の方と一緒に読経をすることが大切です。論より証拠です。皆様、〈最高の声出し健康法〉にどうぞお越しください。