プロはきびしい

カテゴリー
健康

令和元年8月3日

 

私はかつて、荒行あらぎょうによって声帯を壊しましたが、手術のおかげでかなり回復しました。しかし、長時間の読経や講演をすると、声が枯れやすいことはいなめません。だから、のどのことは常に気づかっています。

まず、冷たいものを飲むといけません。タンがからんだり、声がれがおこりやすくなります。もちろん風邪かぜに対しても、かなり注意しています。緑茶や紅茶でうがいをしたり、ショウガを買い込んでは味噌汁や豆腐に加えています。それから、液体プロポリスを身近に置き、紙コップで薄めてからのどを通過させています。刺激があり、決しておいしいものではありませんが、炎症をやわらげてくれるようには思います。ただし、うがい薬を常用してはいません。常用すると抵抗力がなくなり、本当に風邪を引いた時には役立たないように聞いているからです。

私の〝努力〟はこんな程度ですが、ある日の夕刊で歌手・由紀さおりさんの私生活を読み、大変なショックを受けたことがありました。

彼女には3人の声帯医師がいるそうで、まず毎朝、自宅近くの大学病院で薬を塗っているそうです。そして、3ヶ月に一度は別の医師に異常がないかの精密検査を受け、過労が続くとさらに別の医師のもとにけつけるというのです。そして、喉を冷やす飲み物は避け、就寝の折にはガーゼをくるんで喉を温めるのだというのです。

彼女は今や世界中のファンを魅了し、休む間もなく国内ファンをも熱中させています。満場の客席から送られる拍手の裏には、こんな努力があったのかと思い知らされたものでした。僧侶は声を出すのが仕事なのに、自分はいったい何をしているのだろうかと、慙愧ざんきえませんでした。プロは何ごとによらず、きびしいものです。

山路天酬密教私塾

詳しくはここをクリックタップ