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健康
令和元年12月27日
宮沢賢治は熱烈な『法華経』の信徒でした。「雨ニモマケズ」のあの詩は、その信念を綴ったものなのでしょう。ただ、文中の「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ」がとても気になります。玄米四合ともなれば茶碗八杯分で、明らかな食べ過ぎです。
私はほとんど外食をしないので、自分で食事を作っています。最近では玄米や雑穀米の食事も増えました。だから、そのおいしさも栄養もよく知っています。しかし一合でも余るほどで、とても四合は食べ切れません。四合を食べるとなれば、よほどの大食漢です。たぶん、これが37歳で亡くなった理由です。
逆に、「味噌ト少シノ野菜」より、「多メノ野菜」の方がいいのではないかとさえ思っています。野菜の効用については、まず悪く言う人はいません。特に、朝食に野菜サラダや野菜ジュースをすすめる医者がかなりいます。あるいは、今の栄養士がこれを見れば、「一日ニ玄米一合ト味噌ト、多メノ野菜ト少シノ小魚ヲトリ」ぐらいをすすめるかも知れません。
昔の武将は玄米のにぎり飯ばかりで、重い鎧や刀剣をまとって戦場を駆け巡りました。飛脚も駕籠かきもそうでした。現代人はこれほどに栄養をとり、世界中の料理を楽しんでいるのに、どうしてこうも疲れるのでしょうか。昔の人にストレスがなかったはずはありません。私たちは、改めて食事のあり方を考える必要がありそうです。。
戦後に日本人の寿命が延びたのは、肉食のおかげでしょう。栄養もカロリーも豊かで長命になりました。しかし、病気は増えました。いくら寿命が延びても、健康でなければ意味がありません。特に高齢者は本来の和食を中心に、時おり肉食をするぐらいがいいように思うのですが、いかがでしょう。