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仏様は何がお好きなのか

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令和6年10月31日

 

では仏様はいったい、何がお好きなのでしょうか。仏様は神様とは違い、一切の執着がありません。したがって、何が欲しい、何をお供えしてほしいという次元ではないのです。

しかし、あえてお話をするなら、私たちが善いことをして、悪いことをしない生き方をすることをお喜びになるのだと言えましょう。つまり、功徳がお好きなのだと私は思っています。

その功徳を積む修行を六度ろくどといい、布施・持戒・忍辱にんにく(忍耐)・精進・禅定・智慧の六つの徳目で表します。そして、真言密教では布施には閼伽あか(水)を、持戒には塗香ずこう(身に塗るお香)を、忍辱には華鬘けまん(花)を、精進には焼香を、禅定には飯食(ご飯)を、智慧には灯明をお供えして六度の修行をお誓いするのです(写真)。

その意味は、水はすべてに恵みを与えるので布施を、塗香を身に塗ると気持ちが引き締まるので持戒を、花は酷寒に耐えて咲くので忍辱を、焼香は最後までともるので精進を、ご飯をいただくと心身が落ち着くので禅定を、灯明が暗闇を照らすので智慧を、それぞれに表しています。

緑色のお供えはシキビです。日本には香木がありませんが、シキビの葉がお香のかおりを放つので、仏花としてこれを用います。これが「仏様は何がお好きなのか」のお答えです。

神様は何がお好きなのか

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令和6年10月29日

 

お不動様や観音様のご宝前、また先祖の仏壇やお墓に、よくお酒が供えられています。しかし、これは神前にお酒を供える伝統が習合したのであって、本来の様式ではありません。特にお不動様はいかにもお酒が強そう(笑)なので、このような風習になったのでしょう。

しかし、神様にはお酒をお供えします。あさか大師では鎮宅霊符尊と八大龍王様にはお酒を含めて、八種類のお供えをしています。これを「八種供物」といい、お酒・聖水・お茶・餅(田菓子たがし)・カヤの実(木菓子こがし)・歓喜団かんぎだん(あんと漢方薬の菓子)・五穀(米)・塩をお供えしています(写真)。

これらはみな神様がお好きなものばかりですが、どんなお酒を供えるか、お茶はどのように供えるか、白米か五穀米かなどに口伝があります。若い時に伝授を受け、神具をそろえていた頃がなつかしく思い出されます。

鶴太郎さんの不動明王

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令和6年10月16日

 

今年5月に私が鎮壇法ちんだんほうを修した大行院だいぎょういん(茨城県古河市)の新寺建立が進み、本日はその進行を視察しました。本堂には片岡鶴太郎さんの天井画が施され、みごとな不動明王が印象的でした(写真上)。

また鶴太郎さんも自ら来院され、作品の設置に満足したようでした(写真下)。

大行院は不動明王を本尊としてお護摩を修します。護摩壇は天上の高さや換気扇の設置が大切なので、そのために視察したのです。来春には竣工しますので、お近くの方はぜひご参拝ください。

仁和寺での講義

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令和6年9月29日

 

昨日、京都の総本山仁和寺御室会館にて、真言宗僧侶の方々の前で講義をしました。長いコロナ禍が続く中、奈良や京都での出仕が中止となりましたが、久しぶりに熱弁をふるいました(写真)。

密教の僧侶は仏様や諸天様を拝む場合、その次第書が必要になります。次第書には厳格な規則がありますが、自分用のものを作る必要があります。そこで「私次第ししだい編成の仕方」と題してお話をしたわけです。

地元の僧侶はもちろんでありますが、遠方からお集りの方々もたくさんおられ、熱心に聴講していただきました。これが縁で、ご自坊でのお勤めに、さらなる拍車がかかることを願ってやみません。ご参集の皆様、ありがとうございました。

八種類の供物

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令和6年9月4日

 

仏さま(如来・菩薩・明王)へのお供えには密教修法での荘厳しょうごん(壇上のおかざり)を除いて、特別な決まりはありません。たとえば「お不動さまはいかにもお酒が好きそうだ」といってお供えをしますが、決してお不動さまがお酒を望んでいるわけではないのです。

仏さまは悟りの境地に達していますので、「あれがほしい、これがほしい」と執着をいだくことはありません。もちろん、たたりをなすこともありません。よく「観音さまが怒ってるよ」などという方がいますが、それは観音さまを名のった方が都合がよいからなのです。大慈大悲の観音さまが祟ることは絶対にありません。このことは心得ておきましょう。

しかし、神さま(天・権現・明神など)はそうはいきません。特に聖天さまや荒神さま、星祭りの神さまなどには、厳密な決まりがあります。また、それに違反したり、御礼参りを怠ると祟りをなすこともあります。神さまにはまだ、執着があるからです。ただ、神通力で仏教を守護し、仏さまによくおつかえくださるので、そこがありがたいのです。

あさか大師には神さまとして鎮宅霊符尊ちんたくれいふそんと八大龍王さまがお祀りされていますので、いつも八種類のお供えをしています。すなわち、お酒・水・お茶・洗米(五穀)・塩・もち・菓子・木の実です(写真)。

「触らぬ神に祟りなし」といいますが、よくいい得ています。簡単な気持ちで神さまに願がけをしたり、失礼をしてはなりません。それができないなら、はじめから触らぬ(!)ことです。

続・荒神様はやはりスゴイ!

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令和6年8月30日

 

荒神こうじん様は火傷やけどにも、スゴイようです。

昨日、某女より連絡があり、料理中に指に火傷やけどを負ったとのことでした。水で冷やし、薬をぬりましたが、ズキズキと痛みが止まりません。つらかったと思いますが、実は料理中にひとりごとで愚痴ぐちを言っていたのでした。さっそく「荒神様、失礼いたしました。私の不心得から火傷を負いました。この痛みを少しでもやわらげてください」とおびを入れ、ご真言「オンケンバヤケンバヤソワカ」をお唱えました。その台所にはもちろん、あさか大師の荒神様のお札がってありました(写真)。

するとどうでしょう。あれほどの痛みがたちまちに止んでいきました。普通ではあり得ません。水ぶくれも引いたというのです。そして、あまりのうれしさに、私に電話をくださったのでした。

やはり、荒神様はスゴイ(!)です。信じる信じないの問題ではありません。私たちは仏様にも神様にも囲まれたマンダラの中で生きているのです。そして、お大師様もまた、すごいお方です。

荒神様はやはりスゴイ!

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令和6年8月28日

 

25日(日)の午後、北海道の未知の方より、「財布をなくしました。お助けください」とメールが入りました。その財布には現金20万円のほか、運転免許証、マイナンバーカード、クレジットカード、キャッシュカードといった、生活必需品が入っていたそうです。

失物うせものは本人の不注意もありますが、家内での立腹・悪口・口論といった荒神こうじん様への不敬が原因です。荒神様は〝不浄〟を極端にきらうからです。だから、荒神様に心からおわびびをして祈れば、その失物がもどって来ることが多いのです。

私はさっそく、その方法をメールでお伝えしました。まずガス台に火をつけ、できればお線香を立てます。そして、「荒神様、失礼をお詫びいたします。大切な財布をなくしました。どうかお助けください」と念じ、ご真言「オンケンバヤケンバヤソワカ」をお唱えするのです(写真)。

翌日の朝、その方は私がお伝えしたとおりに実行しました。すると間もなく、行きつけの飲食店から、「トイレに財布がありましたよ」と電話が入り、一件落着しました。トイレに入り、ポケットから出して忘れて来たようです。

荒神様はやはりスゴイ(!)です。信じる信じないにかかわらず、必ずいらっしゃいます。そして、あらゆる仏様や神様を融合する真言密教を伝えられたお大師様もまた、すごいお方です。

功徳を求めない功徳

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令和6年8月15日

 

二十代の頃、師僧より「真言宗の僧侶は施餓鬼をしなさい」と厳命されました。もちろん、若い私にはその意味するところを深く理解したわけではありません。しかし、師僧の言葉を真摯しんしに受けとめ、できるだけ施餓鬼を修するようになりました。

今は夕食のご飯に汁物を加えて準備し、深夜に境内で施餓鬼の真言をお唱えしています(写真)。

施餓鬼がなぜ功徳があるのかといいますと、ただ施すことに徹するからでありましょう。餓鬼界の亡者に「病気が治りますように」とか、「お金が入りますように」とは祈りません。その無欲さが、かえって大きな功徳を生むからです。つまり、功徳を求めないことで絶大な功徳を生み出すからです。

施餓鬼を修するお坊さんは長命だといわれます。胃腸を患わないともいわれます。お寺の経営もどうにかなるともいわれます。これは施餓鬼を受けた亡者が、食をいただいた御礼をするからです。

お盆も明けますが、私は時節を問わずに、施餓鬼を修すべきだと思っています。功徳を求めずとも、絶大な功徳を生む施餓鬼はすばらしいものです。餓鬼界は熱中症以上の業苦につつまれます。充分な水分を、忘れずに加えましょう。

続々・荒神様はどんな神様?

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令和6年7月31日

 

荒神様の御影みえ(お姿)は火難除札などの中で見ることがあります。いくつかの御影がありますが、一番多いのは八面六臂はちめんろっぴ(顔が八つ、腕が六本)のお姿でしょう。手にはそれぞれ宝珠・仏具・弓矢・おのなどを持っておられ、いかにも怖そうな形相をしていらっしゃいます(写真)。

ところで、荒神様は広く日本国民に信仰されながら、その行法ぎょうぼう(密教の専門的な祈り方)はほとんど伝えられていません。観音様やお不動様などの行法はスグに学べますが、荒神様はなかなかその機会がないのです。

そこで私は若い頃、三人の阿闍梨あじゃり(行法の師僧)を訪ねて伝授を受け、貴重な「三宝荒神法さんぼうこうじんほう」を学びました。先日、5人の弟子僧より要請があって伝授をしましたが、大変にむずかしいものです。

貴重なこの行法を永く伝え、正しく相承そうじょうされることを願ってやみません。ついでながら、荒神様のブログを三度続けました。そうすると、どうしたことか、荒神様の逸話や資料が次々に集まりました。これは偶然なのか、それとも、もしかして・・・・です。

続・荒神様はどんな神様?

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令和6年7月27日

 

紛失や盗難の原因は、家内での荒神様への不敬(立腹・悪口・口論・不浄)が原因です。「そんなバカな!」と思うでしょうが、これは本当のことです。信じる信じないにかかわらず、荒神様はそこに土地があり、火や水を使う以上、どの家にも必ずいらっしゃるからです。

そこで紛失・盗難にあった場合の「失物うせもの発見法」を伝授しましょう。これは私が、あさか大師の皆様にお話していることで、どれほど多くの霊験があったかは計り知れません。

①まず、ガス台やIHを清掃して火をつけ、仏壇のお線香を立てます(写真・お線香がない場合は省略してもけっこうです)。

 

②次に荒神様に、よくおわびをします。「ご不敬がありましたらお許しください。大切な〇〇を紛失しました。一刻も早く見つかるよう、お願いいたします」 と、声に出して念じます。

③次に荒神様の真言「オン ケンバヤケンバヤ ソワカ」を二十一遍お唱えします。

これで家の中での失物なら、たいていはスグに見つかります。外の場合や盗難は、三日~七日続けてください。外で財布を紛失した場合は、現金はなくなっていても財布自体やカードが戻ってくる場合が多いようです。見つかったら、荒神様への御礼をお忘れなく。ぜひお試しください。

山路天酬密教私塾

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