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仏教
令和7年8月27日
お釈迦さまは悟りを開くまで、6年間もの苦行を続けました。そして、肉体は骨と皮ばかりの極限に達しました。それを見た村娘のスジャータはこれを哀れみ、持参していた乳粥を捧げました。
お釈迦さまはたちまちに体力を回復し、ネーランジャラー河で沐浴し、菩提樹下に坐して瞑想し、ついに悟りを開きました。したがって、このスジャータの功徳は、はかり知れないものがあるといえましょう。
ところで、このスジャータが捧げた乳粥とは、どんな食べ物だったのでしょうか。これを解説してヨーグルトとしている学者さんもおりますが、これは違います。
インドにはお米に牛乳とハチミツを加え、これを煮つめた「キール」というお粥があり、よくお祝いの食卓に並びます。現代ではさらにナッツ類やレーズンを加え、デザートとしても喜ばれています(写真)。
残念ながら、日本のインド料理店のメニューには入っていませんので、自分で作ってみるとよいでしょう。2500年前、偉大な聖者を生み出した逸品です。
ちなみに、私は何度も断食修行をしましたが、あまりに体力を消耗した折は、ハチミツをスプーン一杯いただきました。また、終了の折はお粥から補食をしますが、たちまちに体力が回復したものです。だから、スジャータの乳粥がいかに栄養に富んでいたかは、充分に理解しています。
また、日本ではご飯を「舎利(仏さまの真骨)」と呼ぶのも、あながち偶然とは思えません。必要な人には、必要なものが縁るからです。