五色は何を意味するか

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あさか大師

令和4年12月2日

 

あさか大師の境内に、〈五色の吹流ふきながし〉が掲揚けいようされました(写真)。お寺の本堂にはよく〈五色の幕〉が張られますが、同じ意味でこの吹き流しも境内の荘厳しょうごんとなります。

五色は〈せいおうせきびゃくこく〉と覚えます。真言密教では五仏ごぶつ大日だいにち阿閦あしゅく宝生ほうしょう・阿弥陀・不空成就ふくうじょうじゅ)を、五大(地・水・火・風・空)を、五方(中央・東・南・西・北)を、五智(仏の五つの智慧)を意味します。自然界には形があり、色があり、音があり、香りがあり、味があります。この五色が融合して、あらゆる色へと変化するのです。つまり、この五色をもって自然界が融合する曼荼羅世界を表示するのです。

お大師さまは若くして大学を中退し、修験者となってきびしい山岳修行に身を投じました。そして、虚空蔵菩薩こくうぞうぼさつ求聞持法ぐもんじほうという難行なんぎょうを通じて、自分というものが自然界の縮図、いや自然界そのものであることを体得したのでした。五色はこの自然界そのものでもあります。

お寺にこの五色があるだけで、空気が変わります。冬空に曼荼羅を描いたような気分です。お正月に向けて、また一つ、準備が整いました。初詣にお越しください。

山路天酬密教私塾

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