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霊
令和6年8月20日
あさか大師の境内に「六地蔵」が祀られています(写真)。誰からも好かれ、ご信徒はもちろん、付近の老人ホームや介護施設の方々もよくお参りしています。
実はこの六地蔵は、お隣りのタクシー会社より寄進されたものです。あさか大師が開創された頃は、道路脇にまるで捨てられたかのように置かれていました。
お顔も強面で、苦しそうでした。そこで私が、「こんなところに置いてはいけませんよ」とお話したところ、「それなら、お寺でお祀りしてください」ということになったのです。
ところがお寺に運んだ日、何か異様な雰囲気が漂いました。私は「お葬式をしてもらえなかった方や、付近の道路や河川で変死した方の〝身代り〟になっているな」と直感しました。また、その日に宿泊した二人の僧侶が、「五歳ぐらいの女の子が、サッシから悲しそうにのぞいていましたよ」というではありませんか。まるでホラー映画みたいです。
翌日、さっそくお体を洗い清め、香華や供物を献じて読経しました。もちろん、施餓鬼法も修しました。すると、その表情が一変したのです。今では写真のように柔和でやさしく、ほほえましいお顔になりました。
この六地蔵は石の彫刻ですから、物理的には何ら変化するはずがありません。しかし、仏さまは〝生きもの〟です。その日によって、表情も変わります。これが仏像の不思議なところです。わかりますね。