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挿花
平成31年4月29日
お隣りの畑に、ほんの少しホトケノザ(仏の座)が残っていました(写真)。実はお彼岸の頃には田畑の一面を覆いつくし、まるでピンク色のジュウタンのようでしたが、私がうっかりシャッターチャンスを逃してしまったのでした。
ホトケノザという名の由来は、葉の形が仏さまの台座のように見えることからです。群生するととても美しいのですが、このように草むらに隠れていると、ほとんど目立ちません。
さて、春の七草にこのホトケノザがあることはご存知と思います。「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」と覚えたはずです。ところが、春の七草のホトケノザとは、この花ではないことを知っていただくのが今日のお話でございます。その時期、〈春の七草〉としてセットでスーパーにも並びますから、ぜひご覧になってください。春の七草のホトケノザは正式にはニオイタビラコといいいます。地面に張りつくように生え、こちらも仏の座のように見えるのです。この花は食用にはなりません。七草粥には入れませぬよう、ご注意ください。
それでも、野の花として籠などにまとめて挿すと、小さな仏さまたちが寄り添っているようです。かわいいですよ。暖かい春の日和。面映ゆく、うららうらら。