令和4年6月26日
日本は神武天皇の建国以来、2600年の歴史を誇る(現存する)世界一古い国家です。これはギネスにも認定されてる事実なのですが、大部分の日本人が知らずにいることは、残念でなりません。そして、多くの国の国歌が戦争の歌でありながら、日本国歌「君が代」こそは、人々の幸せと平和を願った世界一美しい国歌なのです。
にもかかわらず戦後、「君が代」はきわめて悲運な歴史をたどりました。その理由は「君が代」の〈君〉が天皇を意味し、主権在民に反するとしたり、戦前の軍国主義を復活させかねないということのようです。しかし、私はこれらがまったくの間違いであることを知っていただきたいと思っています。
国歌「君が代」は明治二年、イギリスのエディンバラ公を国賓として迎えるにあたり、国家の斉唱が必要との要望から誕生しました。そこで薩摩バンドの軍楽隊長フェルトンの薦めによって、歩兵隊長の大山巌(西郷隆盛の従兄弟)が『古今和歌集』巻第七・冒頭の賀歌(祝いの歌)から、これを提唱しました。すなわち、
我が君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで (読み人知らず)
が原歌です。では「我が君」の〈君〉とは誰のことでしょう。もちろん、おわかりですよね。この歌は女性が〝大切な我が君(あなた)〟に送った恋愛の歌なのです。つまり、「大切なあなたが千年も万年も生き続けますように」が、前半の意味です。だから、この歌に天皇を意味する言葉は一つもありません。しかし、国歌としてこれを制定するにあたり、「我が君」を「君が代」に変えました。さあ、そこが問題です。
では、「君が代」の〈君〉とは誰のことでしょう。皆様は当然、これを天皇という意味に考えているはずです。しかし、実は天皇を〈君〉と呼ぶことはありません。それでは、大変な無礼にあたります。天皇を表現する場合、古来から日本人は必ず〈大君〉または、〈すめらぎ〉という言葉を使ってきたからです。
もちろん、天皇も国民の象徴ですから、「君が代」とは「天皇陛下を始めとする日本国民のすべてが生きる時代」という意味になりましょう。また、友人や恋人の〈君〉が外国人であるなら、「世界中のすべての人々が生きる時代」とまで解釈してもよいはずです。こんな国歌がほかにあるでしょうか。私は「君が代」こそは、世界に誇る日本文化の英知であると思っています。日本を愛するすべての人々が、みんなで「君が代」を歌う日が来ることを願ってやみません。では、私が日頃から考えている「君が代」の意味を書いておきましょう。
「天皇陛下を始めとする日本国民すべての人々が、そして世界中すべての人々が生きるこの時代が、千年も万年も幸せに栄え、小さな石が大きな塊りとなって苔が生えるまで続きますように」