姓名判断

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占術

令和4年3月1日

 

最近はあさか大師での得度とくど(仏門に入る儀式)を希望する方が多くなりました。得度にあたっては法名ほうみょう(仏門における名前)を授けなばなりませんが、これには毎回、私が苦労するところなのです。

なぜかといいますと、普通は師僧の法名一文字を上にして、下に別の文字(たとえば俗名の一文字)を付ければそれで決まるのですが、私の場合はそうはいかないからです。私は選名(赤ちゃんの名付け)を依頼されることが多く、当然ながら字画の配置を考えねばなりません。これが意外に大変です。

今の若い夫婦は、姓名判断のこともよく知っています。また、得度を受ける方の中には、プロの占い師もおります。当然、私がどんな字画で配置したかを調べますから、うかつには付けられません。

そこで姓名判断ですが、いろいろな流派があり、複雑なルールもあります。このルールに合わせることが大変で、深夜までかかることも度々たびたびです。ただ、この姓名判断のルールについても、私の考え方が少し変わりました。

その特別なルールとして、字画の数え方があります。代表的なものにサンズイは〈水〉、リッシンベンは〈心〉なので4画といった源字を取り入れる考え方です。昔はこのとおり表記した場合もありました。たとえば、恐れ多いことですが、お大師さまはご自分の法名「空海」の〈海〉を〈毎〉の字の下に〈水〉と署名されました(写真)。

漢字には本来、このような源字の意味があるのですが、現代人(特に若い方は)はこのような意識をほとんど持っていまません。現在使われている常用漢字(当用漢字)でよいという考え方も、当然ながら派生します。〈高橋〉と〈髙橋〉、〈山崎〉と〈山﨑〉なども、普段使っている方を用いるべきでしょう。

このようなルールを述べるとキリがありませんが、姓名判断もそろそろ変革期に入ったのではと思ってます。それにしても、自分の名前となると、誰でも気になるものです。法名においても、私の苦労はこれからも続きそうです。

山路天酬密教私塾

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