地鎮祭はなぜ必要か

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宗教

令和3年5月23日

 

先日、ある木工会社社長さんの自宅を新築するため、地鎮祭を挙行しました。最近は地鎮祭の必要性を理解し、依頼される建主の方が少なくなったことは残念でなりません。それというのも、施工の工務店が家を建てることの本当の意味を理解し、それを説明することがないからです。何ごとも営利第一で、手間をかけるのが面倒めんどうなのでしょう。会社の発展や技術の向上には力を注ぐものの、昔からなぜ地鎮祭という儀式を行って来たのかを考えようともしません。

今でも本当の大工さんなら、必ず地鎮祭をすすめます。それでも建主が不要だと言い張るなら、自分たちだけででも簡単な〝おきよめ〟をするはずです。たぶん、お酒と塩ぐらいは用意して、充分にお祓いをしてから仕事に取りかかることでしょう。それがけ負った大工としての仕事の作法であるからです。

では、地鎮祭はなぜ必要なのでしょう。そもそも、人はよく土地や家を〝買った〟と言います。もちろん不動産の物件ですから、けっしてお安い買い物ではありません。おそらく、人生の中で最も高い買い物であったはずです。また、長いローンを組んで、何十年もかけて支払いを続けているという方も多いはずです。

しかし、買ったというその土地や家は、いったい誰のものでしょう。もちろん、法律上は買主のものに間違いはありません。しかし、その前にも持ち主がいました。そして、その前にも、またその前にも持ち主がいました。そうすると、その土地は本来、この地球が出来て以来のその土地の神さまのものということになるのです。土地を買い、家を建てると言いますが、実は神さまから〝あずかる〟ということなのです。どんなに大金をつぎ込んでも、それはあくまで、預かりものに過ぎません。

だから、預かる以上は挨拶をするのが当たり前です。その挨拶が、つまり地鎮祭なのです。世の中には様々なトラブルがありますが、その原因は何かというと、それは挨拶をしないからなのです。お世話になったなら御礼を、ご迷惑をかけたならおびをすべきであるのに、その挨拶がなければトラブルになるのは当たりまえです。だから家を建ててそこに住む以上は、神さまに挨拶をすべきなのであり、それが地鎮祭なのです。

地鎮祭をせずに家を建てると、中古住宅であれば入居前の挨拶(おはらい)をしないと、かなりの確率でトラブルが生じます。私は長年の経験から、そのことを知っています。このブログを読んだ方は、このことを肝に銘じましょう。家を建てる前には必ず地鎮祭を、中古住宅に入るなら、その前に必ずお祓いをしましょう。これ、当然のことですよ。

山路天酬密教私塾

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