令和2年9月1日
昨日、日本のカレーは「インドカレー」ではないと言いました。しかし、日本のカレーにはまた別のよさがあることは、私も十分に承知しています。それというのも、あまりにも気安くインドカレーと名乗る商品が多いので、ちょっとケチをつけたくなったのです。既製のルーやレトルトを試食しても、この考えは変りません。
そこで、日本のカレーです。私は世のお母さん方は、何をおいてもおいしいカレーが作れるよう工夫すべきだと思っています。なぜなら、昭和の時代から現代にいたるまで、日本の子供さんたちが最も好きな料理はカレーだからです。調べてみてください。そして、考えてみてください。お母さんの料理、つまり〝おふくろの味〟を知ってこそ、子供さんは身も心も健康に育つのです。スーパーの揚げ物だけで躾けをしても、お母さんが思うようには育ちません。たとえパートで忙しくても、一品だけは手作りの料理を出してほしいのです。
そして、手作りの料理で最も喜ぶのがカレーなのです。既製のルーであっても、かくし味などネットで調べればいくらでも出ています。各メーカーもスパイスの研究には余念がありません。おいしい商品がたくさん出ています。得意の味を一つでも持っていれば、それだけで子供さんは手をたたいて喜びます。野菜がごろごろ入ったカレーを何杯もお代わりすれば、子供さんの躾けは必ずうまくいきます。だから、お母さん方はぜひ独自のカレーを作り出してほしいのです。
また若い男女も、カレーがあればうまくいくこと、間違いはありません。仕事を終えた頃、「今夜はカレー!」とメールをすれば、足を急かせて帰って来るからです。そして家にたどり着くや、外にまで漂うその匂いにつられて、夢見る思いで玄間のドアを開けるでしょう。
荻窪二丁目裏通り
どこかの窓から幸せそうな
カレーライスの匂いがいつか
僕の心を急かせてる(南こうせつ・「荻窪二丁目」)
このカレーはもちろん、インドカレーではありません。ありふれた日本のカレーです。でも、あたたかく、心がなごみます。そして、日本人の心をとらえて離さないカレーこそは、みんなが喜ぶ「マンダラの料理」です。