2020/02の記事

恵方巻の由来

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文化

令和2年2月1日

 

節分が近づいて、スーパーもコンビニも恵方巻えほうまきの販売合戦が盛んです。今日は月始めの回向行事がありましたので、終って恵方巻の由来についてお話をしました。関東にもすっかり定着し、皆様にも関心があるらしく、熱心に聞いていただきました(写真)。

今年の恵方(暦にある歳徳神としとくじんの位置)はかのえ(西南西)の方位です。江戸時代はその歳徳神の方位に向かって神棚や祭壇を設け、供物を献じて福徳を願いました。五穀豊穣や商売繁昌を、礼を尽くして祈念したわけです。当然ですが、この時点では歳徳神と恵方巻に、何の関連もありません。

ところが明治から大正に入り、大阪の花街では節分の芸遊びをしながら、太巻きを食べる習慣が生れました。大きな太巻きなら、鬼を退治をして厄もはらえそうに思ったのでしょう。しかし、この時点でもまだ恵方巻という名は生まれません。

今日の恵方巻は1998年、セブンイレブンによって販売が開始されました。発祥は大阪でも東京でもなく、広島でした。広島市内のセブンイレブン巡回アドバイザーだった野田静真のだしずま氏は加盟店のオーナー会議で、大阪では節分に太巻きを食べる習慣があることを聞いたのです。この野田氏こそは、コンビニでおでんやあおせち料理を販売するようになった仕掛人だそうで、強いひらめきを覚え、「仕掛けてみよう」と言い出しました。しかし、単なる太巻きではインパクトがありません。歳徳神の恵方に向かって、「まるまる一本を、声も出さず、一気に食べれば幸運が舞い込む」と意味づけしたのです。これが大当たり。今やコンビニやスーパーばかりではなく、デパートも寿司店も競争に明け暮れています。もはや単なる商品というより、文化とさえ呼べるレベルでしょう。

私は恵方巻そのものより、歳徳神という幸運の神さまを忘れないためにも、この文化を評価したいと思います。ちなみに、恵方巻は七種の具材を巻き上げますが、こらはもちろん、七福神に由来しています。何もかもウマくやりましたね。

山路天酬密教私塾

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