令和2年1月27日
健康のためには大食は禁物です。特に頭脳思考の仕事には、小食が大切です。そのことを昨日のブログに書きましたが、さらに学説を加えてお話しましょう。
まず、アメリカ・エール大学のトーマス・ホーバス博士はお腹がすいている時こそ、胃が分泌する飢餓ホルモンのグレリンが脳の働きを促進すると発表しています。またスペインの養老院で、1800キロカロリーの食事を毎日与えたグループと、一日おきに断食させたグループを比べてみたところ、後者の方が圧倒的に長命であったと発表しました。
こうした事実は動物実験でも明らかです。同じアメリカ・ウィンスコンシン大学のリチャード・ワインドルック教授と国立老化研究所のフェリペ・シェラ博士らはアカゲザル76匹を、何と20年間にわたって食事カロリーの追跡調査をしました。その結果、低カロリー食を与えた群れは心臓疾患が少なく、脳も健康で糖尿病もなかったと発表しています。また、カリフォルニア大学のマーク・ヘラースタイン博士らは、ネズミの摂取カロリーを5パーセント減らすだけで、大幅に寿命が延びることも証明しました。カロリーを制限すると、細胞分裂が遅くなるので、がんの増殖も抑えられるというのです。
皆様はこの逆説を、どのように解釈しますでしょうか。まさに、小食こそは寿命を延ばし、病気を予防し、頭脳を明晰にしてボケを防ぐのです。
さらに断食まですると、その効果はてきめんです。断食を取り入れた病院や健康施設で肌が若くなり、色つやもよくなり、難病を克服した例は数知れません。私も若い頃に八千枚護摩(断食を加えた荒行)に明け暮れましたので、その効果がよく理解できます。体が軽くなり、頭脳も感覚も冴えました。お寺の一階にいても、三階でどんな料理を作っているかさえわかりました。
どうか皆様、飽食の時代であればこそ、小食の効能を見直してください。もしかしたら、人が一生に食べる量は決まっているのかも知れません。その量を食べ尽くせば、もはや生きる寿命も尽きるのです。きっと、そうです。