孔雀明王への祈り

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真言密教

令和7年9月29日

 

私は毎朝、弘法大師(お大師さま)と光明真言(先祖供養)の行法に励み、午前11時半にはお護摩を修しています。そのほか鎮宅霊符神や八大龍王と共に、孔雀明王への祈りも欠かしません(写真)。この孔雀明王への祈りは、コロナ禍とウクライナ戦争の終息を願って、個人的に始めたものです。

一般に「明王」と呼ばれるご尊像は、不動明王や愛染あいぜん明王のように怖い忿怒形ふんぬぎょうをしています。ところが、孔雀明王は観音さまのようなやさしい菩薩形ぼさつぎょうです。これは人間の煩悩を形相ぎょうそうで威圧するのではなく、その秘奥の明呪みょうしゅ(真言の威力)が最も優れているという意味での〝明王〟だからです。特に邪悪な苦しみを取り除くという誓願から、「救邪苦くじゃく」と表記されることにも納得されましょう。

それだけに、この最強の法を知る真言行者はめったにいません。悪用されてはならないからです。私も孔雀明王の伝授を希望する僧侶がいても、その法器をよく選ぶよう自戒しています。

実は、孔雀明王に関心を持つ人は意外に多く、私のブログを読んでお訪ねくださった方々がありました。まさに、現代は末法の時代という実感があるのでしょう。人間の邪悪な煩悩を毒蛇にたとえ、その毒蛇を食する孔雀に乗るお姿も、そのご誓願を示しているからにほかなりません。

山路天酬密教私塾

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