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令和6年7月5日
7月の伝道法語です。
人は自分がしてあげたこと、つまり与えた恩は忘れません。しかし、してもらったこと、つまり受けた恩はいつの間にか忘れるものです。また、与えた恩は棒ほどに思っても、受けた恩は針ほどにしか思いません。
その典型的な例がお金の貸し借りです。お金に困って貸してほしい時、人はどんなに頭を下げてでも頼み込みます。しかし、貸したお金はなかなか返してもらえません。催促をするものなら、最初は丁寧にいいわけをしますが、それをくり返すと恩を忘れて強気になるものです。受けた恩は針ほどにしか思わないからです。
人にお金を貸せるほど余裕があるなら、差し上げるつもりで貸すことです。天に蓄えた貯金と思いましょう。それが功徳というものです。
このことは〈徳〉の道理としても、大切なことです。親切を尽くして徳を積んでも、恩を売ってはなりません。与えた恩を忘れれば、それが功徳となるのです。あの世に持ち越せる唯一の財産です。